清水富美加の引退・出家騒動について
問題点と、それに関する疑義を少しづつ整理して行きます。
主な争点となっている労働条件について考えてみます。

「仮面ライダーフォーゼ」城島ユウキ役の頃
2011年9月4日から2012年8月26日まで放送
【報酬(5万円)について】
清水・教団側)新人の頃の給与が5万円ポッキリと主張
事務所側)そのほか家賃、水道電気代、食費、交通費を持っていたと主張
事務所が負担していたというそれらの科目の具体的支出額はまだ不明ですが、これらのほぼ全てを事務所が負担していたとすると、基本的にこれらは清水本人への手当であり、あくまで人件費として、賃借料、光熱水費等の経費処理で済ませることは認められず、所得として給与計算の際に計上して課税処理する必要があります。
そしてその支給合計に対して、所得税や住民税、雇用保険等が算定されて控除される仕組みですから、従って、給与明細上の支給額は5万円であるはずがなく、他に財形とかグループ保険等していたのか分かりませんが、あくまで差引支給額が5万円だったということではないかと考えられます。
【参考】No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき (国税庁)
このことを理解した上で、ここから先は社会性や価値観の問題ですが、演劇や音楽活動をするのに、下済みでメジャーになれない内は、その業界での手取りが雀の涙程度で、そのためまったく畑違いの世界でバイトをしたり、副業したりしているという話はよく聞くことで、タダでよいから舞台に立ちたいという人も少なくないと思いますが、そういう業界において、育成過程にある芸能界駆け出しの新人のこうした待遇が、果たして奴隷契約という概念に相当するものなのでしょうか。

余談ですが、千眼美子のような法名も持たない下っ端の教団職員には、最近では薄給で支部の布施でも着服しないと生活が成り立たない者もいるようです。今回のことを契機に教団は、信者への負担増を伴わないかたちで、職員の福利厚生の改善を行ってあげて頂きたいと思います。

邦画「変態仮面」舞台挨拶の様子
【仕事内容について】
清水・教団側)嫌な仕事、意に沿わない仕事の押しつけがあったと主張。
事務所側)仕事には積極的に取り組み、選択には本人の意向を聞き、押しつけはなかった。
清水本人の手書文書では、引退と出家について、関係者への謝罪のあと「仕事の内容に、心がおいつかない部分があり」と釈明しているのに対し、その後の教団発表では、事務所への深い不信感や、仕事内容への嫌悪感が増幅されたかたちとなっており、さらに12日午後10時の事務所側の記者会見のニュース映像の放映に合わせたと思われる新ツイッターアカウント(ID:@sengen777)での更新では、その教団発表を踏襲するかたちの露骨な事務所ロックオンの批判を展開していることに、当初のトーンとの温度差や人格の一貫性のなさを感じなくありません。
そもそも最初はモデル志望であって、水着など露出度の高い着衣の撮影は、予め認識済みではなかったのか疑問です。
また、あるインタビューでは、目標とする女優に仲里依紗さんを挙げて、様々な役をこなせる演技の幅の広さを憧れにしていることを語っていて、そのほか、どんなジャンルの芝居にもチャレンジしようとする強い意欲を示していました。
のちに全国ネットへのメジャーデビューのきっかけと言える出世作のNHK連続テレビ小説「まれ」への出演につながることとなる、邦画「変態仮面」の第1弾公開時のことについて回想し、第2弾の舞台挨拶上で、シリーズ第1弾当時18歳だった清水は「面白そう!」と好奇心で出演を快諾したこと。そして父親には、題名を言うと「仕事は選んでいいんだぞ。あんまり変なのやるなよ」と心配されたものの、母親からは「見てきたよ。超ウケた!」と連絡が来たことを語り、女優魂をアピールしています。
そうした中で今回、人肉を食べる役(2017年夏公開予定の「東京喰種(トーキョーグール)」でのヒロインのトーカ(人間の死肉を食べる人種「喰種(グール)」という設定)を耐えがたい苦役としたわけですが、役者であれば、聖人から狂人、善人から悪人、時には人間以外でも、(「ガラスの仮面」的に言えば)素顔を隠して千の仮面をかぶるのが仕事で、それによって才能や実力を示して、また新たな役に恵まれていくものであって、信仰上の理由でそれがどうしても嫌だったのなら仕方がないことですが、その時にそれを言って役を降りれば良いだけのことであって、空いた席には、チャンスを待つ誰かが直ぐに座ることでしょう。
苦役とかといった性質の問題ではなく、単に役者の適性がなく、結局芸能界がミスマッチだったことの逃げ口上として、針小棒大に後付けしている印象を受けます。
そもそも、本人が一切出てこない完全に教団コントロールの進行と、やけに被害者意識の強い一連のシナリオには、激しい幸福の科学臭が漂っており、本当にそれが事実(真実かどうかではなく)なのかどうか甚だ疑問です。
教団が囲ってしまって世俗的には失踪のような状況の中、本人が詳細に答えない限りは真偽の検証のしようがないし、本人自身はこの渦中にあって、ある意味で蚊帳の外に置かれて主体性を喪失してしまっているのではないかとさえ危惧します。
その他、今後の検討課題として。
芸能界を引退して出家しないと命にかかわると診断した医師(医療機関)について、教団はプライバシーの保護観点から明かしていませんが、それが理由で一方的な現状変更を行い、さらに事務所側を糾弾までしているのですから、係争に発展する可能性も含めて具体的な医師名と診断内容を、根拠と共に明らかにする必要があると思います。これを説明しきれないのであれば、仮病・詐病の類と疑われても仕方がなくなります。
また、その際には、あわせて「死にたい」と吐露しているとした他のタレントの証言も必要です。

邦画「赤々煉恋」舞台挨拶
劇中で自殺した女子高生を主人公とする「赤々煉恋」という映画の女子高生限定試写トークイベントに出演したとき、清水も過去に悩んだことを語りながら「JK、JDで進路または友達関係で悩むのは絶対通るしかない若者の道だと思うんです。死にたいとか思うこと普通にあるんですよ。でも、絶対に小さいことでも大きなことでも生きててよかったという瞬間があると思う。でも、とりあえず生きてたらいい道に導いてもらえる友達もいますから、がんばっていきましょう」と語っていました。そうした彼女の今回の「死にたい」は「死にたいとか思うこと普通にある」状況と違ったということであるならば、その精神状況の発生機序から分析すべきでしょう。
教団がカルトである一方、芸能事務所側も過去の所属タレントの独立問題の騒動から、社会的評価が低い状態で、泥仕合の様相を呈してきていますが、それはそれで別として、観戦するこちらは冷静に厳しい目で見ていく必要があります。
主な争点となっている労働条件について考えてみます。

「仮面ライダーフォーゼ」城島ユウキ役の頃
2011年9月4日から2012年8月26日まで放送
【報酬(5万円)について】
清水・教団側)新人の頃の給与が5万円ポッキリと主張
事務所側)そのほか家賃、水道電気代、食費、交通費を持っていたと主張
事務所が負担していたというそれらの科目の具体的支出額はまだ不明ですが、これらのほぼ全てを事務所が負担していたとすると、基本的にこれらは清水本人への手当であり、あくまで人件費として、賃借料、光熱水費等の経費処理で済ませることは認められず、所得として給与計算の際に計上して課税処理する必要があります。
そしてその支給合計に対して、所得税や住民税、雇用保険等が算定されて控除される仕組みですから、従って、給与明細上の支給額は5万円であるはずがなく、他に財形とかグループ保険等していたのか分かりませんが、あくまで差引支給額が5万円だったということではないかと考えられます。
【参考】No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき (国税庁)
このことを理解した上で、ここから先は社会性や価値観の問題ですが、演劇や音楽活動をするのに、下済みでメジャーになれない内は、その業界での手取りが雀の涙程度で、そのためまったく畑違いの世界でバイトをしたり、副業したりしているという話はよく聞くことで、タダでよいから舞台に立ちたいという人も少なくないと思いますが、そういう業界において、育成過程にある芸能界駆け出しの新人のこうした待遇が、果たして奴隷契約という概念に相当するものなのでしょうか。

余談ですが、千眼美子のような法名も持たない下っ端の教団職員には、最近では薄給で支部の布施でも着服しないと生活が成り立たない者もいるようです。今回のことを契機に教団は、信者への負担増を伴わないかたちで、職員の福利厚生の改善を行ってあげて頂きたいと思います。

邦画「変態仮面」舞台挨拶の様子
【仕事内容について】
清水・教団側)嫌な仕事、意に沿わない仕事の押しつけがあったと主張。
事務所側)仕事には積極的に取り組み、選択には本人の意向を聞き、押しつけはなかった。
清水本人の手書文書では、引退と出家について、関係者への謝罪のあと「仕事の内容に、心がおいつかない部分があり」と釈明しているのに対し、その後の教団発表では、事務所への深い不信感や、仕事内容への嫌悪感が増幅されたかたちとなっており、さらに12日午後10時の事務所側の記者会見のニュース映像の放映に合わせたと思われる新ツイッターアカウント(ID:@sengen777)での更新では、その教団発表を踏襲するかたちの露骨な事務所ロックオンの批判を展開していることに、当初のトーンとの温度差や人格の一貫性のなさを感じなくありません。
そもそも最初はモデル志望であって、水着など露出度の高い着衣の撮影は、予め認識済みではなかったのか疑問です。
また、あるインタビューでは、目標とする女優に仲里依紗さんを挙げて、様々な役をこなせる演技の幅の広さを憧れにしていることを語っていて、そのほか、どんなジャンルの芝居にもチャレンジしようとする強い意欲を示していました。
のちに全国ネットへのメジャーデビューのきっかけと言える出世作のNHK連続テレビ小説「まれ」への出演につながることとなる、邦画「変態仮面」の第1弾公開時のことについて回想し、第2弾の舞台挨拶上で、シリーズ第1弾当時18歳だった清水は「面白そう!」と好奇心で出演を快諾したこと。そして父親には、題名を言うと「仕事は選んでいいんだぞ。あんまり変なのやるなよ」と心配されたものの、母親からは「見てきたよ。超ウケた!」と連絡が来たことを語り、女優魂をアピールしています。
そうした中で今回、人肉を食べる役(2017年夏公開予定の「東京喰種(トーキョーグール)」でのヒロインのトーカ(人間の死肉を食べる人種「喰種(グール)」という設定)を耐えがたい苦役としたわけですが、役者であれば、聖人から狂人、善人から悪人、時には人間以外でも、(「ガラスの仮面」的に言えば)素顔を隠して千の仮面をかぶるのが仕事で、それによって才能や実力を示して、また新たな役に恵まれていくものであって、信仰上の理由でそれがどうしても嫌だったのなら仕方がないことですが、その時にそれを言って役を降りれば良いだけのことであって、空いた席には、チャンスを待つ誰かが直ぐに座ることでしょう。
苦役とかといった性質の問題ではなく、単に役者の適性がなく、結局芸能界がミスマッチだったことの逃げ口上として、針小棒大に後付けしている印象を受けます。
そもそも、本人が一切出てこない完全に教団コントロールの進行と、やけに被害者意識の強い一連のシナリオには、激しい幸福の科学臭が漂っており、本当にそれが事実(真実かどうかではなく)なのかどうか甚だ疑問です。
教団が囲ってしまって世俗的には失踪のような状況の中、本人が詳細に答えない限りは真偽の検証のしようがないし、本人自身はこの渦中にあって、ある意味で蚊帳の外に置かれて主体性を喪失してしまっているのではないかとさえ危惧します。
その他、今後の検討課題として。
芸能界を引退して出家しないと命にかかわると診断した医師(医療機関)について、教団はプライバシーの保護観点から明かしていませんが、それが理由で一方的な現状変更を行い、さらに事務所側を糾弾までしているのですから、係争に発展する可能性も含めて具体的な医師名と診断内容を、根拠と共に明らかにする必要があると思います。これを説明しきれないのであれば、仮病・詐病の類と疑われても仕方がなくなります。
また、その際には、あわせて「死にたい」と吐露しているとした他のタレントの証言も必要です。

邦画「赤々煉恋」舞台挨拶
劇中で自殺した女子高生を主人公とする「赤々煉恋」という映画の女子高生限定試写トークイベントに出演したとき、清水も過去に悩んだことを語りながら「JK、JDで進路または友達関係で悩むのは絶対通るしかない若者の道だと思うんです。死にたいとか思うこと普通にあるんですよ。でも、絶対に小さいことでも大きなことでも生きててよかったという瞬間があると思う。でも、とりあえず生きてたらいい道に導いてもらえる友達もいますから、がんばっていきましょう」と語っていました。そうした彼女の今回の「死にたい」は「死にたいとか思うこと普通にある」状況と違ったということであるならば、その精神状況の発生機序から分析すべきでしょう。
教団がカルトである一方、芸能事務所側も過去の所属タレントの独立問題の騒動から、社会的評価が低い状態で、泥仕合の様相を呈してきていますが、それはそれで別として、観戦するこちらは冷静に厳しい目で見ていく必要があります。
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