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バブル宗教 幸福の科学

1989年12月20日、教団は紀尾井町ビルに総合本部機能を移転し、その頃から拡大路線へと変質を始めました。
これを「スタートサンライズ90計画」とし、90年10月までに5万人の会員獲得、1,500万冊の献本目標が下知されます。

しかし、年が明けても伝道活動が捗らず、90年の5月研修の際に、大川は参加者の前で泣いて見せて、このため研修会がいきなり決起大会となり、これを契機に、しつこい生命保険ばりの激しい勧誘活動が始まります。

そしてその後、7月7日の時点で77,000人達成したと宣言しました。
さらに年末には、「ミラクル計画」と称して、91年に100万人、92年に300万人、93年末には1,000万人という目標を掲げて、異常な勧誘活動にのめり込んでいったのです。

ちなみに、以下は当時の教団側の公称会員数です。

87年末:1,700人
88年末:4,000人
89年末:13,300人
(正会員8,100人、誌友会員5,200人)
90年末:170,000人
(正会員20,000人、誌友会員150,000人)
91年3月末:300,000人
(正会員50,000人、誌友会員250,000人)
91年5月22日:770,000人
(正会員100,000人、誌友会員670,000人)
91年6月12日:1,000,000人
(正会員150,000人、誌友会員850,000人)

宗教団体の公称数など、いわゆる“大本営発表”であって、世間はまともに聞いてはいないと思いますが、幸福の科学も正直であったのはせいぜい89年辺りまでであって、他の新興宗教と同様に、その後は数字を盛り始め、91年にはまったくデタラメな団体となります。

この虚勢のカラクリになっていたのが、89年から導入された誌友会員の制度です。
誌友会員とは、当時とりあえず正会員に課せられていた入会審査などの条件がなく、入会金2,000円と会費1,200円の、月刊誌の購読者を指します。

導入初期には、正会員様子見の人の受け皿としての意味合いもありましたが、拡張路線に転換してからは、当初掲げた正会員の基準が拡大路線の足枷となっていたため、そのハードルを下げて購読者を会員数にカウントできる、都合の良い媒体に変化していきます。

幸福の科学の伝道は、まさしくセールスのようなものです。
各支部には週ごとに伝道目標というノルマが下り、活動信者に割り当てられます。締日直前になると、FAXで「必勝必達」という文書が回覧され、信者は毎晩受話器を握って勧誘に奔走するわけですが、このとき「入信しませんか」というより、「月刊誌読んでみませんか」と言った方がまだ勧めやすく、入会金や会費は信者が自腹で払って、お付き合いで半年とってとか、更には名前だけ借りて、自宅住所“様方”にするとか、果ては無承諾に送り付けるとか、実質的に当事者は入信したつもりがないまま、教団側はそれを公称の材料にする、誌友会員の人数とは、そのようにして構成された数字ということです。

こうした実態の中にあっても、90年まではどうにか体裁を装っていられましたが、91年の大伝道の時期を過ぎて、虚勢と実勢の乖離が顕著となって破綻します。

91.7会議表紙

伝道確定数


世の中に幸福の科学の如何わしさを印象付けた教団初の東京ドーム講演会で、大川は100万人を高らかに宣言しましたが、91.7.4付の内部資料から、実際のところは、1,442,715人の集計数に対して、実数は553,347人。その実質差異が△889,368人という有り様です。

そればかりか、先に記したような伝道の実態ですから、現場は月刊誌のセールスに疲れ切った会員で溢れ、正会員の数はむしろ減少していました。そのため1人で100人近くセールスする信者を「獅子奮迅決死隊」とか「獅子奮迅菩薩」などと言って礼賛したのです。

そして、お粗末な拡張戦略の破綻は、すぐに現実的な問題として表面化します。
分かりやすい部分として、月刊誌の配布方法に影響が出ました。

91年までは月刊誌は郵便によって配付されており、会員数とその配付数は一致していて当然です。その頃は、余りにも胡散臭い台頭ぶりが話題となって、色々な媒体で取り上げられましたが、この月刊誌の郵送用封筒に目をつけた報道があり、公称数も配付されていないことが暴かれたのです。

辻褄合わせに印刷数が増やされる一方、配布先がないため郵便での配送は止められ、支部ごとに“大本営発表”の架空の部数が配分されて、信者が配れという方法にされた結果、大量の在庫が積まれる状況がはじまります。

やがて、伝道用の戦略書籍と位置付けられていた2冊の大川の霊言予言本の大コケとともに、この無駄な月刊誌印刷コストが会の財政を大きく圧迫していくことになります。

時に、当時このカルトに対するマスコミのキャッチフレーズはこうでした。

「 バ ブ ル 宗 教 幸 福 の 科 学 」

まったくもって的確な表現だったと言えます。

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土矢浩士(ハンドルネーム:アルゴラブ)

Author:土矢浩士(ハンドルネーム:アルゴラブ)
セクトの犠牲者である家族と個人を支えるネットワーク
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