泰山之霤穿石

『宗教法人及びその主宰者等は、法による手厚い制度的保護の下に、人の魂の救済を図るという至上かつ崇高な活動に従事しているのであり、このような特別な立場にある団体ないしその責任者は、常に社会一般からその全存在について厳しい批判の対象とされるのは自明のことというべきであろう』
平8・12・20東京地方裁判所 民四部判決
このブログをはじめて半年が経ちました。
最近では、脱会者やお身内に信者を抱えるご家族などの関係者以外に、ごく一般の方にもご覧頂けているようで感謝いたします。
かねてより多くの脱会者が、それぞれ他の脱会者のフォローや現役信者の退会支援等に活動され、私もネット上で活動を再開してから約5年が過ぎましたが、この間の流れを観察するに、教祖自身を筆頭に信者教団挙げての度重なる自爆によって、この「幸福の科学」というカルト宗教を取り巻く環境は大きく変化し、化けの皮は完全に剥がされて、社会的信用失墜はもはや阻止限界点を遥かに越えた実感があります。
社会的環境の変化は、自ずと信者の目覚めを促し、個々の事情によって進度の差こそあるものの、多くの人が日常への帰還を果たしつつあるようです。
しかし、頑迷なカルト信仰は、人格障害や精神疾患と絡み合って成立している側面もあることから、現実に直面しても、それを正しく認識することができずに、認知的不協和を飲み込んで、このカルトに留まる者もまた、完全に消滅することはないでしょう。
特に今後の大きな課題として、教団が運営する幸福の科学学園の生徒たちに象徴される、家庭環境により幼い頃からこのカルトの世界で無批判に育てられてしまった二世、三世の世代の問題があります。
学園卒業後も、不認可となった教団の“私塾”に進学するなど、社会との接点が失われた状況に拍車がかかった彼らの姿は、笑いごとでは済まされない、末期的で異常な事態です。

(教団の若者たち The Liberty Webより)
そして、それらは決して他人ごとでもないのです。
日本はかつて、カルトによる社会的な危機を経験していることを、どうか思い出して下さい。
当ブログは、退会者以上に、このカルトに何らかの事情によって関心を持たれた方にも、より深く理解して頂けるように、できるだけ具体的な資料に基づいて進めていきます。
そして、このことを通じて、カルトの本質や、その前提にある宗教法人法の問題について考え、さらに、フランスのセクト法の根幹にある「無知・脆弱性不法利用の法理」の日本における展開について少しでも構想して頂ければと思います。
カルトに直接養分を供給するのは、無知と軽率さの「関心」ですが、それを育むのは、他人事の「無関心」という土壌なのです。

(教団の若者たち The Liberty Webより)
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