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「植福」の黒歴史~教団幹部の言質を添えて~ ③-2

※「植福」の黒歴史~教団幹部の言質を添えて~ ③-1からの続き

誌面の都合から、今回は資料と解説を分けずに、全体の講演の流れに沿って発言を抜粋しながら解説を付けるスタイルで進めます。(赤文字が筆者の解説注です)

「植福菩薩輩出の集い」より抜粋

講演の冒頭は、まず掴みとして北海道との個人的な縁の深さアピールから始まって、簡単な自己紹介、そして“北海道アゲ”を挟んで「好意」の布石を打ちます。そのため、ふらっと立ち寄ったわけでもなく、招かれて出張してきた本部職員のこんな白々しい挨拶でスタートしました。

「今日は何かタイトルを聞いてびっくりしてしまったんですけれども、今日は植福菩薩を輩出する会なんですね。そういうことだったんだと思いまして、じゃあ、そういうテンションの話を、やらなあかんねんなというのを思って、まあ、植福菩薩の話をしますけれども・・・」

そして、動員された信者の様子を推し量るようにトーンを抑えながら、「希少性」の強調と「返報性」「一貫性」への刺激という心理操作が早速始まります。

「1億数千万年ぶりに主のご本体が地上に降りられて、それもこの日本に降りられて、それに間違わずに、全く同じ時に降りることができたのが私たちです。もうこれだけで凄い喜びです。あとは何にも要らないと思います。明日死んでも悔いなしと思っています。本当に何にも要らない。もうこの喜びの瞬間に降りているということです。その喜びを一緒に噛みしめたいと思います。こんな喜びはないです」

「1億数年万年ぶりに先生のご本体が降りておられます。実際に日本に生活をされています。そして、いま差し出した植福は先生が直接受け下さるということです。こんな喜びは二度とないと思います」

「未曽有の機会です。ですので、どうか植福を一生懸命考えてなさって下さい。一生懸命考えて努力なさって下さい」

ここで、自身も植福菩薩(※概ね1,000万以上の高額植福者のこと)の達成者で、勧進を促進する役として到着早々勧進を行ったことを明かして「権威」のポジションを固め、今しがた成功した勧進を披露し賞賛してみせて、全体を臨場感に巻き込みます。

「あの○○さん、植福菩薩は如何ですか?」と、お聞きしましたら、さすが大黒天の魂の方で、「私はもう7回もさせて頂いたので、もうありません」とおっしゃいませんでした。「私はもう7回もさせて頂いたので、もう他の方の番です」ともおっしゃいませんでした。どうですか?とお話したら、「ああそうですね。ああ、じゃあ考え付きました」とおっしゃいました」「お家を売らないといけないと思っていたけれども、いま考えつきました」とおっしゃいました。「もうこれしか方法がないけれども、もう1回挑戦してみるわ」と言って下さいました」

さらに、別の事例を重ねて、「社会的証明」の方向性を暗示します。

「西東京支部の○○さんって、知ってらっしゃいますか?たぶん北海道にとってもご縁のある方だと思うんです。この方が「私はお財布の中に裏返して振っても500円しかない」、ご主人は集中治療室に入っていらっしゃって、明日をも分からぬ命で、高額な医療費が毎月必要で、お子さんの学費もまだいる。こういう状況で、ご自身は中学校の美術の先生で、「限られたお給料の中で植福菩薩をしました」って言って下さったんです。「植福菩薩はお金があるからできる訳ではない!あってもできない方はいっぱいいらっしゃる。ないからできない訳でもない。なくてもできる方はいっぱいいらっしゃる。想いが全てなのよ」と言って下さいました」

ここで、自身の反省として卑下して述べる体裁を保ちつつ、「返報性」「一貫性」を盾に、異論を挟めない余地に囲い込んで退路を断ってきます。

「その瞬間、先生に対して、「ごめんなさい」って思いました。「申し訳ない」って思いました。先生が私達に、修行として植福菩薩を与えて下さっているのに、関係ないと思っていたんですよ」

「それは大金持ちの修行だと思ってたんです。想いが全てって思ってなかったんです。それですごく反省をしました」

カルト宗教では、信者にとって苦痛や困難を伴う行為を要求する際、儀式(イニシエーション)としての価値を与えて、教祖や教団の指示に意義があるものと、盲信状態の信者が自己正当化するのに都合の良い定義の擦り込みが都度繰り返し行われます。

「植福菩薩という修行が降りてきました。決してお金持ちの方の修行ではなくて、執着を解く修行でもあり、尊い尊い布施の機会でもあり、恐れを捨てる修行でもあり、色んな修行なんですね。そして、先生の夢を叶えるための尊い尊い布施なんです」

こうした勧進煽りの現場で用いられるのは、模範的な成功体験か、逆に失敗経験等の具体例の披露が一般的です。この時は先ず講演者自身の在家時代初の植福菩薩達成談が披露されました。

「両親が孫が可愛いので、孫のためにって、両親も本当に切り詰めた生活をして、コツコツとずっと貯金をしてくれた通帳を私にくれたんですね。長男の分、次男の分って。で、これは絶対に手を付けたらダメだよって。だけど今子供にあげたら、それはあぶく銭となって子供が身を持ち崩してしまうから、これは貸金庫にでも入れて、見ないでおきなさい」って言われて、通帳と印鑑も両親がくれたんです」

「孫に両親があげたいんだ。おじいちゃん、おばあちゃんが孫にあげたいんだと、でも今あげたら子供にとってダメになっちゃうから、貸金庫に入れておくんだって思って、中も観ずに貸金庫に入れました。もう無いものとしていました。忘れてるんですよ、ないものと思って忘れていました」

「だけど、この世的な私達にとって、いま頑張る尊い機会なんだと分かって、恐る恐る銀行に行って鍵を開けました。長男の名前で約700万円か800万円、次男の名前でも約700万円か800万円入っていました。迷いました。すごく迷いました。どうしようかって。それを下したとしても、700万円下したとしても、残りの300万円はありません」

「迷ったんだけど下してきて、1つだけ、まず長男の方を解約しました。残りの300をどう集めるか。まあちょうど夏でしたので、主人のボーナス、私のボーナス、その月の私のお給料、主人のお給料、ある定期預金全部、ガーって解約して、電卓たたいて、ギリギリだったんですけれども植福菩薩になりました」

次は打って変わって、植福後に訪れた迷いや苦しみについての経験談にシフトします。

「初めてだったので、嬉しいというよりも、怖い。全部差し出してしまったので、何が残ったかというと、マンションのローンが残りました。これだけ残りました」

「怖い。怖い。怖いと言うのが来たんです。明日からどうしよう。明日から晩御飯が買えなくなりました。今だから笑ってますけど、買えるんですよ、買えるだけど、今までみたいにふんだんにたっぷり買えないんですよ。切り詰めないといけないんです。とっても切り詰めるわけですよね。そうすると息子が、「おかん、最近晩飯しょぼいな」って言うんですよね」

「苦しみを掴みました。もう1回でいいわって。植福菩薩は1回で十分、もうさせて頂いた。私は公務員、もういいって言うのをつかみました。苦しかったです。みんなやってないじゃない、こういう思いが来ました。支部のみんなやってないじゃない。支部長なんで私にばっかり勧進するの。もうやめて、支部長やめて、こっちを見ないで、目を合わせないで。こういうのが始まりました」

「当然、支部に行けなくなります。必要な時だけ、秋季研修、五月研修、初級セミナー、中級セミナー、上級セミナー、押さえなくちゃいけないのだけ行きます。ご法話拝聴会だけ行きます。リーダー会議、とんでもない。また勧進される、というのが来てですね、行けなくなりました」

「2年間苦しみました。お役も全部降りました。だけど自分は教育者なので、学校の教育は一生懸命やっていました。総本山正心館で、神理教育者の集いが始まって、お世話人を求めてると聞いて、やもたてもたまらず飛んで行きました。で、お世話人になりました」

「総本山正心館なら、精舎なら、勧進される心配はない。また植福菩薩なんて言われたら、どうしよう。次男の方の、おばあちゃんから頂いた通帳、あれは死守しなくてはならない。こういう思いですね、これで行ったんですよ」

植福成功体験からの迷い苦しみという前振りがあって、ここでまた改めて総本山正心館の講師という「権威」の有難いお言葉が引用され、定義の擦り込みが強化されます。

「さりげない講師の一言、「植福菩薩っていうのはねって、ものすごく尊い修行でね、ものすごい尊い修行なんだ」。まずその一言、あっ、修行だったんだ。尊い布施の機会とは思ってたんです。だけど修行だったんだ。魂を磨く機会だったんだ。気付いたんです。植福菩薩、苦しみながらやってたけど、魂は磨かれてたんだ。輝きは増してたんだ」

「嬉しかったんですね。ああ、機会だったんだ。修行って言われると仏弟子は心が動くんですよね。心が弾むんですよね。修行させて頂きたいってなるんですよね」

「そして2つ、おそろしい落とし穴がありますって講師がおっしゃったんです。1つは、漫になる落とし穴。私は植福菩薩よ~、ってこういうやつです。私は植福菩薩よ。とんでもない漫なんですよ。もうしたのよ、もういいのよ、もう私は許して、みんなの番よ、こういうのが来るんですよ」

「もう一つは、恐れですって講師がおっしゃった。私2つとも嵌ってるって思ったんです。それで抜けました、スッポーンって抜けました」

そして、ここからいよいよ核心に入って、カルト宗教の本領発揮のターンです。

「この漫っていうのは、私はただの御手足、仏の御手足、手足に過ぎない。手足が何を威張っているんだっていうことなんです。仏からこんな手は要らないって、バーンって抜かれて、ガーンってやられたら、それまでです」

「だけど仏の御手足なんです。ものすごく嬉しいじゃないですか、でも仏の頭ではないんです。仏の御手足なんです」

「先生は言われました、「君よ涙の谷を渡れ」で。「判断しなくていいです。私について来て下さい。判断しなくていいです。ただついて来なさい。私について来なさい。君よ涙の谷を渡れ」とおっしゃいました」

「だから、ただの手足なんです。判断しなくていいんです。植福菩薩は先生から頂いた修行です。じゃあ、させて頂いたらいいだけなんですね」

「恐れは、先生はこう教えて下さっています。「人は同時に2つのことを考えることができない。だから怖かったら、嬉しいって塗り替えたらいいんです」。先生は「マイナスの思いは、叩きお出せ」と、大金持ち研修でおっしゃっています。見つけ次第叩き出せ、蹴っ飛ばすんですよ。もう来るなって、そんなの来るなって、ネガティブは来るな、下は来るな、憑依は来るな、で、プラスだけ入れるんです。私に喜びを、喜びを入れるんです。うれしい、うれしい、うれしい、植福菩薩は何よりも嬉しい、魂の輝きであるって入れるんです。そうすると本当に喜びで満ちてきます」

「これで1回目の苦しみを抜けました。そうしたら後はフットワークも軽く、いくらでも重ねることができるようになりました。もちろん、直ぐに貸金庫に行って次男の通帳を解約したのは当たり前のことです。通帳を解約して、前と同じように、ボーナス全部入れて、ダーンと植福菩薩をしました。残ってるのは家のローンだけ(笑)」

続けて、今度は勧進の正当化へ論理が展開します。

「こうやって全国勧進してまわっています、1対1でも勧進をさせて頂いています。でもね、悟りが足りないから、激しいメールが帰ってくることがあります、夜中の2時とかにメールで起こされることがあります」

「○○さん、なんで私に勧進するのよ、私はないのよ」、「私は、私は出し惜しみしているわけではないのよ、あなたはまるで、私が出し惜しみをしているように言うじゃない、私はないのよ、やめて」と、言うので起こされることがあります」

「そういう時は本当に反省します。申し訳ないって、私の悟りが足りませんって、ごめんなさいって反省します。だけど勧進はやめません。誰になんと言われてもやめません。なぜかと言うと、勧進は絶対の善であるからです。天使が喜ぶことであるからです」

「反省はします。言い方は申し訳なかった、深堀申し訳なかった、ごめんなさい。だけど帰ったら、その方は目の前に出てこられて言うんですよ。私の胸ぐらを捕まえて、「○○さん、なんであの時、最後の最後まで詰めて勧進をしてくれなかったんですか、自分だけずるい」

「天上界に帰ったら分かるんです。植福がどんな喜びか、どんなキラキラか、どんな功徳か。功徳を求めぬ植福こそ無限の功徳の始まりなりと、先生に教えて頂いてますよね。だから余り言ったらいけないんです。だけど先生は、ある支部精舎のご説法でこうおっしゃいました。「あんまり言ったらいけないんだけどね、でもすごいんだよな、植福菩薩は」、言われましたよね」

「功徳を知ってやる植福は、功徳が減るんですよ。知らないで、それでも信仰で差し出すから、すごい功徳なんです。だけど功徳なんです。だから、なんであの時、もっと詰めて勧進してくれなかったのかって、怒られるのが分かっているから、だから、どんなに憎まれても、どんなに罵声を浴びせられても、勧進はやめません。勧進に命をかけます。命を捧げます。それは皆様が絶対幸福を掴んで頂きたいから。一緒に植福の喜びを感じて頂きたいから。だから勧進はやめません。この世的に、どんなに苦しくても勧進はやめません」

ここで再び自身の植福談に戻り、およそ教団内でしか通用しない論理が披露されます。

「例えばこんなこともありました。どうぞ私に植福をさせて下さいと祈りました。次の日、通帳を見ると、300万円下りていました。祈った次の日なんだと思いました。実はその前に、総本山正心館に行って、決断のための祈りというのをしたんですよ。私は植福菩薩やり尽くしてるから、請願のところに、初めてだったんですけれどもね、それまでは怖くて書けなかったんですけれども、主よ、私の命をお受けとり下さいと、私の命を捧げますって、初めて書いて、総本山正心館に何気なく置いて帰ったんですね。そしたら300万円下りてたんです」

「うわ~奇跡だ~っと思って、すぐ支部に飛んでいって、まあ、大反対の両親のために、両親の永大供養をバンバンとやって、それからあの、永大供養の教願がありますよね、あれをいただいて、300万円ちょうどだったんで、差し出したんですね。すごい喜びだったんです」

「そしたら次の日思い出したんです。あの、主人の会社が、ものすごく景気が悪くて、2本かけてた年金を、もう終身年金1本にしちゃおう。で、こっちの1本の方を、掛金を一時金として返すから、主人はそのお金全部あげるからね、大事に取っておきなよってね、それが降りていたんですね。後で気付いたんです」

「この世的に解釈すると、主人の会社は景気が悪いから守らないといけないお金なの。だけど、植福っていうのはね、全て仏から頂いているものなんですよ。この着るものも、建物も、この食べるものも。それを全部仏にお返しするだけのことなんです。だから、仏に差し出すのが一番正しい、だから祈った次の日におりてきたのは奇跡だし、差し出したのもOKなんです」

「私の両親は大反対なんです。だけど祈るとですね、ちょっと来なさいと電話がかかって来て、行くとお金をくれたりするんですよ。そのお金すぐ全部植福してるんです。大反対なんです。本部長に、両親からもらったので、今回は両親の名前で植福菩薩いかせてくださいってお願いしたら、「三帰請願もしてなくて、大反対もしてる人の植福は受けられません」と言われてしまったんです。あなたの名前でいきなさいって、で、私の名前でいかせて頂いたんですけれども、私が両親の功徳でもあると信じているんです。今でも大反対、だけど信じているんです」

「ある時、もう無理だって、でも植福させて頂きたいって思って考えた時に、最後の手段、解約してない保険があるのに気付いたんです。私は、主人が歳が離れてるから、息子がずっと学費がいるから、これは危険だと思ったんです。何でも植福しちゃうから、何でも経典献本にしちゃうから、なんでも活動にしちゃうから、この性格は危険だと、合理性がないと、気付いたんです。だから、天引きで保険をかけておこう。で、55歳になったら払い戻しができるようにしておこう。そこから終身年金になるようにしておこう。そしたらこれで子供の学費が払えると思ってたんです」

「気付いたの53歳の時だったんですね。あと2年で満額だって。あと私がどっかで死んだら、1000万の保険になって、主人に下りるようにしてあったんです、もうあれしかないって思ったんです。でも、支部精舎の勝負の時だったんですよ。で、先生に差し出したいと、で、○○生命に電話しました。今日解約したら、生々しいですね、まだ出家して1年にもたたないので、在家の心が残ってるので、お許し下さいね、職員がこんなこと言ったら駄目だから、在家だと思って聞いて下さいね、電話したんですよ、そしたら、いま解約したら550万か600万円ですって言われたんです」

「じゃあ解約して下さいって。「でもお客さん、すごい損ですよ、もうすぐ満期ですよ、いま一番保険の解約が損な時ですよ」って言われたんです。1日も早く主に使って頂きたいという想いだったんですね。先生の方が私よりも正しい使い方をして下さる、主の手元にお届けしたいっていう想いだったんですね。で、すぐ解約しました。で、残りを、またいつもの通り全部差し出して、先生にお届けしました。株券も全部解約しました。「いま一番損ですよ」って証券会社が言いました。確かに知恵が足りないと思います。だけど、1日も早く先生に差し出したいという自分の想いなんですね。先生のその時の夢を叶えて差し上げたい、というのが私の想いなんです」

ここまでで、私有財産なんて全てつぎ込んでなんぼと言わんばかりの植福の功徳と勧進の正当性を、これでもかとタップリ落とし込んだうえで、具体的植福キャンペーンをたたみかけて行きます。

「いま、関西校の学園植福が始まっています。これは、すごく大きな先生の夢なんです。未来の菩薩がたくさん育っていくんです。だから、若者を育てるために、先生の夢を叶えるために、協力しましょうということなんですね」

「実は自分のためでもあるんです。もう私は今から学園に入れる歳じゃないって想いますよね。でも、関西校の植福菩薩とか、100の植福をしますと、創立メンバーとして、学園の中に記念碑ができるんです。で、そこにお名前が入るんです」

「私たちは、永遠の命を頂いています、永遠の転生を頂いています。死んで帰ります、下でゴールデンエイジが始まっているっていうのを見たら、この信仰心の私たちです、皆様方です、降りたくて降りたくてしょうがないんですよ。だから、計画を早送りして、すぐに日本に出して下さいって言うに決まってます。縁を繋いでおかないと、もう日本はすごい倍率。学園も今で、もう既に難しいという評判がたっています。その時はすごい倍率、縁を繋いでおかないと、縁起の理法はあるんです」

「だから学園の植福菩薩になるんです。そうするときっちり縁が繋がります。これで晴れて学園の生徒になれたとします。記念碑の前で、自分の過去世の名前に当たるんです。それは直ぐなんです。生まれ変わるんです。永遠の魂を信じている私たちです。歳が高ければ高いほど直ぐなんです。だから、迷わず、何の迷いもありません、植福菩薩を差し出すべきなんです」

ここで加えて、目くらましに「返報性」と「恐怖説得」(Fear appeal)のコンボをかまし、あくまで誘導を外しません。

「「永遠の生命」なんです。完全に完全燃焼して、十分に伝道して、十分に植福して帰らなかったら、しっかりやり切っていなかったら、反対の国に転生してしまって「永遠の後悔」を残すんです」

「先生は先陣を切っておられます。映画「仏陀再誕」で先陣を切っておられます。何があっても怯むことはないっておっしゃって、もう堆く山のように批判が積まれても、やめることはないっておっしゃって、先生は先陣を切っておられます。ものすごい闘いをされています。それで、その先生の内側に守って頂いて、ぬくぬくとしていてはダメなんですよね。「永遠の後悔」なんです」

このあと一転し、改めて“北海道アゲ”の言葉を並べたあと、更に立て続けに要求を掲げていきます。

「私たちの植福は勿論です。思いっ切りの植福を真心を込めて差し出されてください。そして勧進をしてください。勧進というのは、ものすごく尊いんです、帰ったら分かります。もう天の蔵は光でいっぱいなんです」

「なぜかというと、自分の功徳ではなくて、他の方のための功徳を積ませてあげるための修行だから。そしてまた、念も受けるから。自分は苦しみながら他の方に絶対幸福を差し上げるための修行だから。だから勧進はものすごく尊いんです。だから、考えて考えて考えて、この方はどうしたら幸せになるのかなっていうのを考えて、勧進をして差し上げてください。絶対幸福になります」

「そして、入会されたばっかりの方も、育てて差し上げて下さい。入会されたばっかりの方も、育てて下さい。だから、入会されたばっかりの方も、皆さん学園のために、10万円の植福はできるように導かねばならない」

「皆様もどうぞバカ一の如く突き進んで下さい。皆様の善念の結集があれば、また奇跡が起こっていくと思います。映画ビックバン植福のうねりを、そして幸福の科学学園植福のうねりを、そして大伝道のうねりを起こして下さい」

いよいよ仕上げに向かって再度「一貫性」を意識させつつ、露骨な「段階的要請法」で攻めまくります。

「コツを申し上げます。まず1つはですね、本気の請願です。支部長が今から請願をしますとおっしゃった時に、ああまたかって思わないで、本気の請願です。できないようなことでも、三次元的に無理なことでも、本気の請願を重ねて下さい」

「植福菩薩の叶え方のコツを教えます。今までに重ねてきた時に、いつもこれでできたというコツを言いますね。今年絶対するって決めるんですよ、そして、天上界に自分の口座を開くんです。どうやるか分かります?まず10なら10、100なら100、学園植福でも良いです、映画ビックバンでも良いです、植福を奉納するんです」

「天上界の神様は、すごく忙しいです。いま凄いんですよ、いっぱい来られてるんです、特にいま、植福菩薩を決意された方がいらっしゃいますので、もう支部の天井は見えない方が幸せですよ。見えたら卒倒してしまう、見えないのもご慈悲なんですね」

「天上界は先生に、植福したくてしたくて堪りません。だけど、直接行動を起こすことはできません。天上界に遍満している富を、先生の元に降ろしたいんです。だから、本気で行動するのはどの人だって探してるんです。その人のところに応援する、だから、私が決意しました、これが請願です。そして一歩を踏み出す。天上界ここですって手を挙げるのが一歩です。そうしたら応援が入ります。そうしたらできるようになるんです。だから、天上界の口座を開いて下さい」

「それから、布教所を決意して下さい。まだ布教所を持ってない方は、是非布教所のお申し込みをされてください。地域の方のためです。先生は、地球まるごと幸せにしたいんだって、幸福な方を増やしたいんだって言われています。だから布教所を決意して下さい」

「布教所を持ている方にお願いです、エル・カンターレ像を頂いて下さい。この支部のエル・カンターレ像と同じものが布教所に入るんです。地域の灯台になるんです。魔を一掃するんです。子供たちを守るんです。皆さまを守るんです。だから、エル・カンターレ像を頂いて下さい。天上界はいくら応援しても、地上の私たちが決意をして、行動を起こさない限り、何もできないんです。だから、天上界の想いを受け取って下さい。私も命をかけて戦います。」

そして最後に「命がけ」の押しとして自身のエピソードで終わります。

「先日も支部長から電話があって、納骨壇いって下さいって言われました。「支部長知っているんですかっ」て、支部長に電話で詰め寄りました。「私は、退職金全部差し出して、なんにも無いんですよ」て。去年は、一昨年の府のお給料、まだ今より高かった時のお給料の、府民税と市民税が出て、すごい大変だったんですね、これまマジで、すごい大変だったんですよ。「その私に納骨壇勧進するんですかっ」て、逆切れしてしまいました。で、支部長はごめんなさいって切りました」

「だけど、勧進されたものは受けるというのが大黒天の心意気です。勧進されたものは否定しない。だから、言葉では支部長にそう言いましたけど直ぐに計算しました。全部出せば、去年の4月からちょっとずつ貯めてたものを全部出せば、3月の末まで貯めれば、納骨壇はいけるって思ったんです」

「周りは反対しました、いくらなんでも中道を外していると。だけど決意しました。で、直ぐに支部長に電話しました。3月の31日にご奉納しますと言いました。とにかく、とにかく、命がけで行きます。なので、共に主の理想実現のために命がけで精進をして下さい」
「植福菩薩輩出の集い」より抜粋(終)

上記の解説の中で、「返報性」「一貫性」「社会的証明」「権威」「好意」「希少性」とか、「段階的要請法」といった言葉があって、聞きなれない方もおられたかも知れません。

これは人間の行動に影響を与える心理操作のポイントやテクニックとして広く知られているもので、ここでは詳しい説明は控えますが、こうしてカルト団体内でも日常的に応用されている様子として示しました。

「植福」の黒歴史~教団幹部の言質を添えて~ ③-3に続く

【参考記事リンク】
心理操作の研究 ①-1

心理操作の研究 ①-2





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土矢浩士(ハンドルネーム:アルゴラブ)

Author:土矢浩士(ハンドルネーム:アルゴラブ)
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