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「幸福の科学図書引換券」という泣ける慈悲

以前あるオフミーティングに参加した際に、出席者の二世の方から「教団が財政難に陥った時にボーナス代わりに図書券を配ったという話は本当ですか?」と尋ねられました。ざっと説明はできましたが、あいにく資料を持参していなかったので、ちょっと遅くなりましたが、こちらで掲載して補足させて頂きます。

図書券配布
H3.7.10付 「主宰奨励金の支給について」

今どうかは知りませんが、幸福の科学において賞与(ボーナス)のことは「主宰奨励金」と言われていました。もともとは一般企業と同じく現金支給(課税して振込)されていたものですが、平成3年(1991年)夏の主宰奨励金は「図書引換券」というかたちで現物支給となったのです。

これは「ミラクル91」というキャッチフレーズで会員100万人を掲げた狂気の大伝道の大失敗によるもので、詳しく言うと「アラーの大警告」「ノストラダムス戦慄の啓示」の戦略書籍の広告宣伝含めた販売の失敗、また無承諾伝道などによるバブル会員数に基づいた無茶な拠点展開や職員採用のツケがまわったことが主な原因です。

そしてこの「図書引換券」ですが、一般に流通しているいわゆる「図書券」ではなく、教団の支部のみ使える大川本を買うためだけの「幸福の科学図書引換券」で、金券ショップで換金できるようなシロモノではありません。職員になるような者であれば、書籍はすでに全巻読んでいて当然なので、実質的に自己の資産価値なく、結局は献本用にするしかない売れ残りの大量在庫処分を、しかも源泉されて押し付けられたまでのことでした。

91.7.9小澤理事訓話
H3.7.9 総合本部朝礼 理事訓話

この文書が回覧される前日7月9日に、当時の常務理事の小澤氏が総合本部の朝礼で語った記録も残されており、現預金残高が1億円しかなく、反対に書籍の在庫が11億円もあるという危機的状況が赤裸々に語られています。
(ちなみにこの筆記は筆跡からハッピー饗庭と思われます)

しかし、こんなことをしていながら、教祖の大川自身は、世間への印象操作に自らを長者番付入りさせようとする方針を維持させ、インチキな役員報酬の吊り上げを行わせて、ひとり左団扇のままだったのです。

こんな壊滅的な状況でしたが、こうした「図書引換券」のほか、この後に職員のリストラ、グッズ販売、各種祈願の開始、ミラクル貸付などの措置で、教団の財務は半年を過ぎたころからV字回復を果たします。

それまでは、無茶な大伝道の指示こそあったものの、会員の財布に手を突っ込むような目立った動きはなかったと思います。しかし、財務の立て直しという事情から始まった展開から、次第に教団が信者から金を巻き上げられる感触を得て、新たに儀典部といった部署を設けるなどして、あの手この手を講じるようになった流れがあります。

総務局の文書には、「仏陀様に甘えてばかりはおられない」といった、今日の教団に通じるニュアンスが垣間見えるものの、理事長の訓話には、職員に対する率直な謝罪や配慮の言葉があって、振り返ればこの頃が、教団が誠実さをかなぐり捨てるギリギリ前の姿であったかなと思います。
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コメント

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お金を返してもらえなかった

ちょうどその頃だと思いますか「神(仏?)一千万年の孤独」という小冊子を今度発売するので買いたい方は予約してくださいと月刊誌に書いてあったので500円を振り込んだのですが、いっこうに本が発売されず、教団への熱も冷めたので脱会しました。その際、お金を返してもらおうと思ったのですが、当時、教団は脱会者は悪魔が付いているので辞めてしまうと主張していて怖かったので電話するのは止めました。結局、500円はぼったくられた形になっています。今でも「神一千万年の孤独」は販売されていないのではないでしょうか。このような同様の被害報告はないのでしょうか?お金は寄付したものと思い諦めましたが。被害は被害です。

このハナシ、ホンマだす!

こんハナシはホンマだす。わても裏書保証いたしますわ! わても教団の古参職員から直接聞いた体験がおます!

「いやね、バカターレくん! 当時は財政がキビしくて、ボーナスを図書券で払ったんだよ! 図書券ゆうても普通の本はは買えないんだ。幸福の科学の本だけの引換券なんだよ。まあ、ヒドいハナシだけどね」

教団は文書の中で「仏陀様に甘えてばかりはいられない」ゆうとりまんが、そもそも11億円もの『アラーの大警告』や『ノストラダムス戦慄の啓示』を発行を決断したんは当の「仏陀様」やおまへんか! トップの判断ミスをナンで職員が責任負わなアカンのですやろ?

大川隆法は偉そおに『経営入門』や『社長学入門』ゆう本を出版しとります(どっちも1万円)。むしろ『経営失敗』とか『社長の責任』とかゆう本を出すべきでは?

No title

ラッキーさん

おそらく初期に大川が語った「一千億年の孤独」ですかね。
この文句は確か「太陽の法」や現在では絶版の「太陽のメッセージ」などに、自分が宇宙を創世したという壮大なホラ話として何度か登場していますが、小冊子というかたちであれば、おそらく1989年9月の青年部大会でした話をまとめる企画でもあったのかと思います。あの頃は、支部でのみ購入できる小冊子が結構ありましたが、個人的には残念ながら余り覚えがありません。過去の月刊誌の保存はいくらかあるので、機会をみて検索をしてみます。
ただ、朝令暮改の幸福の科学では、この手の企画倒れは日常茶飯事で、思い出す方が骨が折れそうです。


エル・バカターレさん

記事中に示した文書に「京セラの稲盛会長が社内の部下に大川本を勧めている」といった部分があり、これは「常勝思考」という大川著のビジネス本のことだと思いますが、景気の良い勢いから一転して教団のバルブが崩壊すると、そうした好評価は雲の子を散らすように一気に消えていきました。大川の場合は愚かすぎて、失敗の経験でさえも世人の参考になる価値はなさそうです。
あと、ちなみに文書の責任者になっている人事課の壹岐とは、幸福実現党のいき愛子の父親です。エル・バカターレさんの所の元支部長に「あれは酷かった」と言わしめた「幸福の科学図書引換券」のこと、いき愛子も父親から聞いて知っているんじゃないですかね。
プロフィール

土矢浩士(ハンドルネーム:アルゴラブ)

Author:土矢浩士(ハンドルネーム:アルゴラブ)
セクトの犠牲者である家族と個人を支えるネットワーク
「RSFI MAIKA」代表

日本脱カルト協会
「JSCPR」会員

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「幸福の科学」の問題を中心に、セクトについて考えていきます。

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