fc2ブログ

BANされた元本部~ELBISの歩き方①

布教所というのは、地域密着の身近な伝道拠点として、信者が自宅一室等を提供するかたちで運営されるもので、教団から布教所の認定を受けた証の看板なり、布教所型エルカン像を設置するなどして初めて銘打てる幸福の科学の拠点形態のひとつで、精舎(正心館)、支部精舎の下位に分類されるものです。

教団初期の拠点表示と比べれば、各地方本部を精舎(正心館)と呼ぶようになり、各支部統括事務所が支部精舎となって、地元の信者(チーム)の溜まり場が布教所にあたるということでしょう。

Google mapを入念に見ていくと、たまに「幸福の科学〇〇布教所」という表示を見かけることがあると思います。上記の通り、これらは基本的には個人宅であるので、現状ELBISプロジェクトの追跡対象外の物件になりますが、東京都杉並区本天沼3丁目1−1にある「幸福の科学天沼布教所」については事情が異なり、幸福の科学の黒歴史の1ページを飾る“いわくつき物件”として、施設一覧に掲載して頂くことにしました。

天沼布教所(元聖務統括本部)
天沼布教所/東京都杉並区本天沼3丁目1−1

ELBISプロジェクト施設一覧「非公開施設等」


この外観を見る限り、1階のフロアーだけが布教所と思われるかも知れませんが、実はこの4階建てアパート全てが幸福の科学の物件です。

このアパートが教団の拠点のひとつになったのは1991年のことで、かつてここは「聖務統括本部」という建物にそぐわない仰々しい名前が冠されていました。1階こそ店舗事務所型のフロアーですが、2階以上は各階1DK(UB付)が2部屋ごとのただのアパートです。

聖務統括本部
91年当時の光の総本山が今や見向きもされない布教所に

91年の後半に大伝道バブル崩壊やフライデー事件で教団財政が破綻しかけるまでは、職員の福利厚生は比較的堅実に施されていて、本部総務部の拠点開発の職員によって、いくつかの独身寮なども準備されていましたが、但しこの物件はそうした寮として準備されたものではありません。

この物件は、幸福の科学が宗教法人格を取得しようとした際に、その体裁を整えるためだけに用意されたものなのです。

幸福の科学が宗教法人格の登記を備えるにあたって、その主たる所在地としたものであるにも関わらず、実際のところ宗教法人の審査が行われていた時期に約2週間ほどの間だけ、当時の紀尾井町の総合本部から事務机と事務機器を持ち込んで、ここで仕事をしているフリをしただけで、それ以外に実質的にここが教団の拠点として公式に重要な機能を果たしたことは一度もなく、今や精舎や支部精舎よりも下位の布教所扱いという寂しい顛末です。

当時、紀尾井町の総合本部も、もともと「幸福の科学出版」で契約していたのに、勝手に宗教団体本部として運用していたことで、ビル管理会社から契約違反で立ち退き要請されるなど揉め事を抱えていて、そのような状況下で急ピッチに進められていた幸福の科学の宗教法人格取得の取り組みが、いかに付け焼刃的でイイカゲンなものであったかということを象徴する物件と言えるでしょう。

(※フライデー事件の際、当時中野富士見町にあった関東本部(オリンピックビル)が中心とされたのは、信者を集められるフロアーがあったことの他に、上記の都合から紀尾井町を騒動の中心にしてしまうと、決定的にヤバいという事情があったためです)

元「聖務統括本部」、現「天沼布教所」は、現存してはいるものの教団の正史からBANされた拠点と言えますが、非公式には少し活用されたことがあります。

91年秋のフライデー事件の最中、信者に対して講談社攻撃を扇動しておきながら、自らは練馬区関町の邸宅に戻らずに「ホテル西洋銀座」にずらかっていた大川でしたが、数日でマスコミに嗅ぎつけられてしまったため、その後ほんの一週間ほどの間ですが、このアパートの4階の部屋に潜伏していたのです。

ホテルと違って食事は出ませんので、給仕は当時のこのアパートの管理人をしていた教団情報局の佐竹の細君と、階下に泊まり込みの秘書部の職員で手分けして行い、私も山田(愛染)美星氏と「カレイの生姜煮」を拵えて運んだ記憶があります。

天沼布教所側面入口

川島の生家近くでは「主が落ちたドブ川」が信者の参拝スポットになっているようですが、そうした意味では、こちらも「主のフライデー事件時の潜伏先」として聖地になっても良さそうです。

ちなみに、このアパートの入り口の階段は段差が若干急で、大川は短足のくせに急いで歩くものだから、この階段を踏み外して転んで手を付き、あわや顔面を強打しそうになったこともあります。信者にとっては「主が転んで手を付いた階段」ということになりますね。
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

プロフィール

土矢浩士(ハンドルネーム:アルゴラブ)

Author:土矢浩士(ハンドルネーム:アルゴラブ)
セクトの犠牲者である家族と個人を支えるネットワーク
「RSFI MAIKA」代表

日本脱カルト協会
「JSCPR」会員

当ブログへようこそ。
「幸福の科学」の問題を中心に、セクトについて考えていきます。

ご相談等の場合は、リンク先頭の「RSFI MAIKA公式ホームページ」のコンタクトよりご連絡ください。

また、当ブログのコメント欄は非公開設定を選択することができます。悪質な荒らし行為等でない限りは決して公開されませんのでご安心ください。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR