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喰い詰め浪人、カルトに弄ばれてる件

「週刊新潮」12月3日号の、「「幸福の科学」をヨイショ 「島田裕巳元教授」いつか来た道」と題した記事で、去る11月15日に千葉県長生村で幸福の科学が運営する信者養成機関「HSU(ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ)」のイベント内で行われた、島田裕巳氏(東京女子大学非常勤講師)の講演について掲載され、一部ですが情報が更新されました。

新潮

記事によると、驚くべきと言うか、呆れるべきと言うか、「幸福の科学大学」の設置認可の過程で「宗教学言論」の講座に島田氏を招聘し、そのことについて島田氏側も内諾していたものの、申請が取り下げられたため、改めて次年度からの非常勤講師の打診を行っている状況ということが分かってきました。

上記のことからして、島田氏が現在のところ態度を明らかにしていないのは、あくまで申請取下げ後に改めて打診された非常勤講師としての処遇についてであって、根本的には幸福の科学とは既に手打ち済みということになります。

このことについては、記事のみならず、当日に講演を聞いた複数の方々からの情報でも確認しています。その詳細な内容については現段階では控えますが、一点だけ面白い事実として、この「宗教学言論」に島田氏の名前があがった経緯については、公募をしたが応募がなかったことが理由と公表されたことです。

それはそうでしょう。特別の因果でもなければ、誰がカルトの信者培養機関の教育職員になどなるものですか。真のプライドを持った真っ当な学者なら、いかに喰い詰めようと、まずこんな選択はしないはずです。

このご時世であるのに、公募をしても応募がないほどの社会的信用のなさが、多少は堪えているのでしょうか。窮して思いついた先が、かつてあれほど忌み嫌い馬鹿にした相手で、それを受ける方も受ける方で、全くみっともない話です。

まるで過去の確執はなかったことにして、未来志向とでも言うのでしょうか。しかし、少なくとも当時を知る会員であれば、現役信者でさえそのような綺麗事で簡単に清算できるようなことではないでしょう。実際そのような違和感や不信を漏らす信者の様子も耳に入ってきます。

それは、教団出版物の内容ばかりでなく、実際の活動の上でも、当時に教団から使役されていた事と手の平を返されたからに他なりません。

95.3.27広報局報告書

主宰先生
1995.3.27 13:00 広報局

報告書


(1)加藤絋一代議士秘書との面談について
本日の午前10時30分より約一時間あまり面談し以下の内容について話しました。
訪朝団のこともあり、大変だとおもうが、このサリン事件は全面戦争の次のレベルの「低烈度紛争」であり、国家の重要問題である。3月26日フジテレビ2001年に加藤代議士も出演されていたが、犯罪者であるオウム真理教の2人をテレビに出し言いたい放題であった。加藤代議士も同席されていたのに、何も反論されなかったのは、極めて遺憾である。これはあなたが方秘書の責任でもある。これを見た限り、加藤代議士には、この国を任せられないと感じた。加藤代議士は当会の本にも登場しており、950万の会員が注目している。今回の番組での姿勢について問い合わせや意見が多数きている。この辺の事をよく考えて欲しい。
これに対して、秘書は、終始こちらの意見を好意的に聞いておりました。


(2)九州朝日放送のラジオ番組に対する抗議について
3月24日に九州朝日放送のラジオ番組「栗田善成の元祖ラジオ番組」で、菊池久という三流評論家が統一教会が隠れ蓑としてオウム真理教と組み、今度は幸福の科学と手を組んだなどという誹謗中傷を行いましたので、早速九州本部の職員が九州朝日放送の本社を訪れ、川西取締役ラジオ本部長、岸川ラジオ制作部長に抗議いたしました。その結果、本日(27日)11時にお詫び放送が流されました。菊池久に対しましては、再度広報局より徹底的に抗議いたします。

(3)オウム真理教関係者のテレビ出演について
本日、TBS「モーニングEYE」に青山と上祐が出演しておましたので、犯罪者の主張をタレ流すなという抗議の電話がテレビ局に殺到しております。今後も彼らがテレビ等に出た場合は、即抗議電話がいくと思われます。


(4)島田助教授糾弾の声について
本日の読売新聞に、「島田が月刊誌(宝島30)で、第七サティアンは宗教施設であり化学施設はないと断言していた」との記事が掲載されましたので、早速日本女子大への電話、手紙による抗議が行われております。

以上

フライデー等による一連の批判記事が連発された頃から、大川は自分の指示がなければ大人しく反論もせずにいるままの職員や信者の態度を叱責し続けていました。そしてその結果、関係機関への抗議や投書、また新聞や雑誌への投稿などを行う「打ち返し」と称した活動が指示されるようになりました。

これは教団の存在感を積極的にアピールしようと躍起になっていた側面もあり、広報局が主体となって推進され、活動状況は大川のご機嫌取りに適宜報告され、また下知を受けるという仕組みが出来上がりました。上記の文書はそのひとつで、政治家や放送局へのクレームに続いて、島田氏への糾弾について報告されています。

現在の教団と島田氏の急接近について、受け入れられない層が一定数いるのは、ご覧の通りで、例えばフライデー編集部に電話FAX攻撃、講談社の本社凸と散々やらせておいて、合理的な清算なく宗旨替えしたようなものだからです。

宝島30
宝島30(1995年3月)に掲載された第7サティアン訪問中の島田裕巳氏

島田氏は、「宝島30 1995年3月号」の記事中で、オウム真理教は方々で対立や問題を起こしながらも、それが沈静化する過程で「確実に変化を遂げてきたように見受けられた」という肯定的な認識を披露していて、しかし、これと前後して地下鉄サリン事件が発生し、その後間もなくオウムへの強制捜査が行われたことから、同氏の社会的信用は急激に失墜し、厳しい批判に晒されることになります。

そもそも、坂本弁護士事件から松本サリン事件、その他のことについても、島田氏は一連のオウムへの疑惑に対して、それらは基本的に物証の乏しい状況証拠だけの、あくまで“お話”と主張し、世間のオウムに対する疑惑の過熱を戒めるというスタンスを逸脱して、オウム真理教に阿った論理の展開をした以上、厳しい批判も身から出た錆であるのは仕方ないところです。

大学には、きっと内外から多くの声が寄せられたのでしょう。こうした経緯の影響から、島田氏は、やがて日本女子大学の職を追われる仕儀に至ります。

ただし、幸福の科学の場合、それを教団が信者を煽動するかたちで、作為的組織的に行わせていたというのは別の問題です。

幸福の科学信者の島田氏に関する糾弾だけが、この異動の主たる要因とまでは言いませんが、上記の文書が示す別の観点として、当時から今日までの流れを俯瞰するに、宗教学者を名乗るものが対象との間合いを見誤って、結果的にその職の生殺与奪までカルト宗教に握られている構図が見えてくると思います。

島田氏は「週刊新潮」の記事で、「教団も昔のような大規模デモをしなくなりましたし、変わってきていることは事実」などとぬかしていますが、幸福の科学が周庭氏の迷惑を省みず香港問題に便乗したデモを行っていたのはつい去年の話です。

批判的報道への執拗な抗議や陰湿な粘着ぶり、裁判沙汰も通常営業であるのに、目の前の客観的事象すら現状把握できないピントのずれたマヌケなセンスで、内部に入って一体何が分かると言うのでしょうか。「宝島30」と島田氏の現在を照らして見ると、過去を真摯に受け止めているとは到底考えられません。

一方、島田氏の人事については、今のところ教祖側の意思は伝わってきません。
大川隆法は責任回避の逃げ道として明言はせず、そのために編み出したのが霊言でありますが、その霊言すらも公開せず、おそらく信者や世間の様子見をしているのでしょう。しかし、こうした判断を現場の担当者だけに任せているとは考えにくく、知っているのは当然のこと、もともと教祖の発案であった可能性が高いとい思います。

ある意味で踏み絵のつもりなのかも知れません。いかに過去に貢献したとしても、教祖の気まぐれな趣旨にそぐわなくなり、既に私財を吸い取り尽くした出涸らし信者となれば、教団にとって用なしの邪魔者でしかないので、無慈悲な色分けを考えていても不思議ではないでしょう。

両者は、威勢が良いうちは罵詈雑言を並べて脱価値化、落ち目になれば世辞を並べて理想化という場当たり的な無責任さで、ある意味で似た者同士。HSUはお似合いなのかも知れません。ここを逃せば最早「しくじり先生」の教壇くらいしか残っていませんし。

ただ、他の研究者の方々には、ご自身のキャリアを汚さぬよう、くれぐれもこれを反面教師にして頂きたい。でないと、学者生命終了です。脱会支援に関わるひとりとして、普段から「戻れない道はない」と思っているし、そうお伝えしていますが、島田氏のようになったらさすがに手遅れです。
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プロフィール

土矢浩士(ハンドルネーム:アルゴラブ)

Author:土矢浩士(ハンドルネーム:アルゴラブ)
セクトの犠牲者である家族と個人を支えるネットワーク
「RSFI MAIKA」代表

日本脱カルト協会
「JSCPR」会員

当ブログへようこそ。
「幸福の科学」の問題を中心に、セクトについて考えていきます。

ご相談等の場合は、リンク先頭の「RSFI MAIKA公式ホームページ」のコンタクトよりご連絡ください。

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