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発狂するカルト③「香港民主活動を阻害する霊言デマ」

香港における中国との間での逃亡犯条例改正案をめぐり、今年6月以降、政府と同条例の改正に反対する多くの市民の間で激しい対立が続き、世界が注目する中、9月4日をもって政府側が撤回を正式決定したが、その後も親中派との衝突など混乱の続く状況で、この民主化運動の中心で活動を続けている周庭(アグネス・チョウ)さんが、まったく明後日の方向からの甚だ迷惑な邪魔に晒されている。

2019年9月5日、周庭(アグネス・チョウ)さんのTwitterに突然以下の「声明」がなされる。
アグネス声明

【声明】
最近、ある日本の政党の出版物に、私の名を騙って、私が「自衛隊に香港を助けてほしい」と主張していると書かれていました。私はこのようなことは言っていませんし、このような主張はしていません。

私について誤解を招くような文章を削除し、訂正することを求めます。

周庭(アグネス・チョウ)さんTwitter

周庭さんが削除を求めた出版物を頒布していた「私の名を騙って」いる「日本の政党」とは、案の定「幸福実現党」で、その内容は、同政党を指揮する宗教団体「幸福の科学」の教祖である大川隆法が、周庭さんの守護霊を通じて「自衛隊を香港に派遣してくれ」と語ったという与太話だ。
(※周庭さんご本人は民主活動家ではあるが香港独立派ではない)

そして、この周庭さんの抗議の削除要求声明を受けた幸福実現党は、周庭さんの画像は削除したものの、文中に「守護霊」というワードを入れただけの改定版を作成し、なんらの謝罪も反省もなく開き直った「声明」を出し、当該出版物の配布を続行するばかりでなく関連書籍の出版や、それらの主張を旗印にしたデモまで行うという厚顔無恥な態度のままでいる。

幸福実現党プレスリリース
「幸福実現NEWS」特別号に関する周庭氏への対応について

【関連記事リンク】

やや日刊カルト新聞 2019年9月6日
周庭(アグネス・チョウ)氏が香港への自衛隊出動を要望? 幸福の科学がデマを誘発

NAVERまとめ
【香港】幸福の科学のアグネス・チョウ守護霊が本人に知られ世界的問題に。

netgeek 2019年9月6日
アグネス・チョウさん、大川隆法の霊言にクレームをつける

ExciteニュースBUZZAP 2019年9月6日
「自衛隊を送って助けて欲しい」幸福実現党が香港デモリーダーの主張を捏造→守護霊の発言だから問題ないと削除を拒絶

Jcastニュース 2019年9月7日
「言論の自由のもとに撤回及び部分訂正を行う予定はない」香港に「自衛隊を送って」...アグネス・チョウさん「霊言」に本人抗議 幸福実現党「ご心配おかけした」と謝罪

Yahoo! JAPAN NEWS版

The Sankei News 2019年9月7日
香港・周庭氏の守護霊?「自衛隊、香港に送って」 幸福実現党の投稿を本人が否定、削除要請

産経ニュースTwitter

本と雑誌のニュースサイト/リテラ 2019年9月8日
香港アグネス・チョウさん抗議も幸福実現党は「霊言」撤回せず…幸福の科学「霊言」シリーズの危険性とタブーに怯えるマスコミ

周庭さんばかりでなく、民主活動に向かう香港の同世代の若者たちへの共感から、個人的に積極的な発言をはじめて日本の香港支援活動を牽引するに至っている平野鈴子さんのTwitterにも、2019年9月16日付けで以下の「声明」があった。

平野鈴子さん声明

【声明】
私は幸福の科学ともSEALDsとも一切関係ありません。幸福の科学はインタビューを受けただけ、SEALDsの6月13日の香港デモにはSEALDsを知らずに参加しました。それ程までに政治に興味がありませんでした。全て誤解です。私は誰一人仲間がいない中で6月29日のデモの申請をしました。

平野鈴子さんTwitter

さまざまな利害が絡み合うこの手の政治的な問題には、自ずと色々な下心の者たちが紛れ込む。そうした意味で身体検査が甘かった部分があったのは否めないと思うが、それは侵入してくる方が悪いのだし、こんなことで仲間への純粋な気持ちに泥を塗られては気の毒だ。平野さん独自の活動の名誉のためにも、この事実について合わせて理解しておく必要があると思う。

幸福の科学は普段から中韓憎しで、これまでも尖閣問題や慰安婦像問題など様々な局面で介入しようとしてきたが、本性を見透かされ完全な迷惑者となっている。

今年の7月にも、明治大現代中国研究所と国際人権NGOアムネスティ・インターナショナル日本の共催による、中国で弾圧を受けたウイグル人の証言を聞く集会にプレスの許可なく侵入し、さらに関係者の名前を勝手に使った記事を掲載して抗議を受けるなど問題を起こした。

そもそも真理の探究を標榜する宗教であるなら、対立を煽るより調和を目指すものと思うが、いまさら幸福の科学にそのような道理を説いても無意味だろう。だいたい、今回の問題が示す幸福の科学の悪辣ぶりの本質は、単に表面的な霊言デマだけではない。

幸福の科学内では、周庭さんの過去世を天草四郎でイエス・キリストの魂の欠片を持つものと説明し、習近平の守護霊に扮しては「アグネスさんを暗殺する方法は百通りほど考えてある」と語る一方、周庭さんの守護霊設定の天草四郎に扮しては「覚悟はできている」「ある日突然連れ去られる事もあると思うんですが、その後何をされたかみたいなことを私はもはや発表出来なくなりますので、そちら様で何か出来る事があるならして下さればありがたいです」などと、当初から信者に対して彼女らの不吉な未来を仄めかすようなことをしていたという。

いずれも大川隆法の田舎芝居に過ぎないのだが、結局は初めから香港の民主活動家の彼らが運動の犠牲になることを、内心で半ば期待しながら日本国内での香港支援活動への参加をアピールし、そして彼らの誰かに犠牲が出れば、中共批判で体裁を保ちつつ、したり顔で大川隆法の霊視が正しかったと宣伝するのが幸福の科学の皮算用なのだ。

しかし、自分たちが拡散したビラが中国でデマとして周庭さんら香港の民主派へのネガティブキャンペーンに利用され、さらに中共の責任にするつもりが己ら自身が身の危険を増大させ冗談では済まされない状況にご本人を追い込んだのでは、信者らがどんなトンデモ理論で言い訳をしたところで、幸福の科学が中国憎しでやったつもりが、結果的に利敵行為でしかなかったという間抜けさだ。

幸福の科学に元から社会的信用などなかったが、今回の件は幸福の科学の致命傷となったことは確実だろう。信者らは産経ニュースTwitterへのリツイートを見れば、頼みとしている層からも見限られていることが分かる。

幸福の科学においては、宗教の優位という大川自身の考えから、立宗当初は政治家からの面会の要望があっても安請け合いをすることはしなかった。

ただし、幸福の科学にも政治的野心がなかったわけではない。
創価学会と公明党を過剰に批判していたのも、結局それは羨望の裏返しで、1991年の大伝道の失敗と自ら起こしたフライデー事件の影響により生じた危機的状況を辛くも乗り切りって自信を取り戻し、教祖が過度に水増しされた信者数を実数と信じ込んで気分を良くしていた時期までは、相手が自分の過去世認定を欲しているという勝手な思い込みが背中を押し、教団の票をチラつかせて政治家との繋がりを求める考えに変化していく。

しかし、1995年には「三塚博総理待望論」という本まで出版して担ごうとした当事者との関係構築に挫折し、また報告を受けていた信者数が全く架空の数字であったことに大川がショックを受け引き籠り生活に入ってからは、自ずと政治的な動きも下火になっていった。

それが2007年頃から選挙協力というかたちで再び動き出す。参議選の丸川珠代や千葉県知事選の森田健作らの当選を通じて手ごたえを得て、2009年の立党と衆院選への出馬につながっていくが、選挙中から党首がコロコロ変わるなど惨めな混乱ぶりを露呈し、無謀な挑戦は予想を通りの大惨敗に終わった。

そして、この惨敗を契機に、幸福の科学の政治的活動が他宗でも行っているようなオーソドックスなものから、マッチポンプ的な手法に変化を始めていくこととなる。そして「保守を乗っ取って活動を先鋭化し、日中・日韓紛争を起こす」という活動方針が幸福の科学の理事会において定められたのが2014年初頭のようだ。

以下は、その意思決定に至るまでの作戦立案段階の文書で、広報局を筆頭に教団本部の職員によって練られたものの一部である。

作戦の数々は、あまりにも荒唐無稽すぎてネタかと思ってしまうだろうが、このようなことを真剣に考え実行しようとしているのが「幸福の科学」の真の姿であって、破壊的・反社会的カルトであることの紛うことなき証と言えるだろう。

尖閣ビーチバレー
尖閣諸島への上陸が軽犯罪にしか当たらないという考えから「光の軽犯罪攻撃」と銘打ち、教団内では「愛国無罪」の論理で進められていた。

革命煽動
オウム真理教が生物化学テロによってまで達成しようとした「日本シャンバラ化計画」と同様に、最終的に教祖の大川隆法を元首に据える「仏国土ユートピア建設」が幸福の科学の革命。

ハニートラップ
秘策13の「ハニートラップをしかける」(各メディアのキーパーソンにハニートラップを仕掛け、実現党を報道するよう脅す)については、数人の関係者の実名もグリップしている。
また、秘策17は「外務省が起こる事件を起こしまくる」で、2018年に台湾・台南市で幸福の科学信者の藤井実彦が行った慰安婦像を蹴るパフォーマンスなどもこの一例。

2014年に定めた方針には、「保守を乗っ取って活動を先鋭化し、日中・日韓紛争を起こす」という事の他にもうひとつ、「総裁の予言と、幸福実現党の正しさを社会に示す」というものもあったという。

「総裁の予言」というのは、戦争や天変地異などの恐怖アピールに他ならない。真っ当なやり方では埋もれてしまうから、原発推進や核武装などあえて一般受けしない尖った政策で存在感をアピールしつつ、社会不安に乗じて己が橋頭堡を築こうというカルトの常套手段だ。

そして中国や韓国への挑発も行って、あわよくば幸福実現党を名指しで批判させることができれば、さらに知名度も上がって嫌中嫌韓の受け皿になって勢力を拡大できるという皮算用もあった。

幸福の科学が薄っぺらなのは、いかなる主張もひたすら自己顕示のみを至上の目的としているから芯がなく、それが傍から見て明らかなことを当事者自身が気付いていない底なしの愚かさにある。

だが、幸福の科学のようなカルト信者には「現実検討力の欠如」という特徴があって、社会的に到底通じない無理筋の論理展開でも、内集団バイアスとなって狂気を補強する働きをするだけだから、世間との乖離が激しくなるばかりだ。

昨年、元オウム真理教幹部信者12名の死刑が執行されたが、彼らが遺した手記に接すると、脱会してのち過去の自分と対峙する中で本来の人間性が回復していく様子が伝わってくる。

だから、いかに大川隆法などを狂信するあまり良心を失ってしまった薄気味悪い幸福の科学信者であっても、いつか同じような回心が訪れることを期待したいところだが、日常的にほとんど外界との繋がりを絶って内的世界に埋没する信者らに気づきのチャンスが与えられることは少なく、残念ながらそうした場合の対話は極めて困難で成立しない。

結局のところ、社会がつど厳しい批判を浴びせ続けて、その行いを社会的に駆逐していく以外にはない。

周庭さんの霊言本出版を強行し、さらに香港支援の名を騙って16日の東京新宿を皮切りに、23日は広島と大阪、さらに29日は名古屋と立て続けにデモを行おうとする厚顔無恥な幸福の科学に対して、日刊カルト新聞がカウンターでの抗議を呼び掛けている。

NO霊言プラカード

プラカード2

プラカード3

やや日刊カルト新聞
幸福の科学が周庭(アグネス・チョウ)氏の霊言本出版を強行、16日に新宿でデモも

22日に幸福の科学前で抗議活動呼びかけ=アグネス・チョウ氏へのデマ問題で

どうせ頭のおかしなアホカルトの連中がやることだからと鼻で笑うのでなく、幸福の科学の不埒な悪行三昧に、そろそろ社会が冗談抜きで本格的なNOを突き付けなければならない時期に至っているのではないだろうか。

調和を基調として、社会が時間をかけて精製してきた良識は高く尊ばれるべきもの。それを崩されないようにするためには、私たち一人一人が日頃からその手で懸命に支えて続けていかなければならない。見て見ぬふりをした結果の甚大さを、日本はオウム真理教の事件を通じて学んだはずだ。

「霊言」を用いた人権侵害など、こんな無礼で醜悪な行為を決して許さない、いつまでもこんな輩を野放しのまま好き勝手をさせておかないという意思表示を、個々にできる場面でぜひ声を上げて繋げて頂きたい。
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プロフィール

土矢浩士(ハンドルネーム:アルゴラブ)

Author:土矢浩士(ハンドルネーム:アルゴラブ)
セクトの犠牲者である家族と個人を支えるネットワーク
「RSFI MAIKA」代表

日本脱カルト協会
「JSCPR」会員

当ブログへようこそ。
「幸福の科学」の問題を中心に、セクトについて考えていきます。

ご相談等の場合は、リンク先頭の「RSFI MAIKA公式ホームページ」のコンタクトよりご連絡ください。

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