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広告塔にされたプッツン女優の末路

東京スポーツに奇妙な記事が掲載されていました。
昨年に出家騒動で社会からドロップアウトした千眼美子こと清水富美加がUFOの撮影をしたという記事です。
東スポ記事
東京スポーツ紙面

東スポ1
ネットでも配信
「清水富美加=出家女優・千眼美子 UFO撮った!!本紙に渾身の目撃リポート」

東スポだから、そもそも信憑性うんぬんの問題ではないと思いましたが、読んでみれば、スマホかデジカメかは不明なものの、撮影した画像を掲載していながら、撮影の日時を示しておらず、結局のところ記事の体裁を装った教団の広告に過ぎないものと分かります。

千眼美子こと清水富美加の、幸福の科学の広告塔としての仕事というわけですが、痛いほどのレベルの低さに、さすがに言葉を失いました。

東スポ2
東スポ記事中より

記事中の彼女の言説ですが、「宇宙に憧れがあって、天体観測もしていた」のが本当なら、今年は2003年から15年ぶりの火星の大接近で、7月末が最接近であったことを知らないはずはありません。秋からの教団映画の話題作りに、この件を企画したのは広報局員ではないのでしょうかね?

火星の動き(国立天文台)
「火星は夜空のどこに見えるの?」国立天文台

【星図シミュレーション】
「今日のほしぞら」国立天文台

火星は南東方向の低高度で観測できます。最接近の頃はニュースでも取り上げられていましたし、御覧になった方も少なくないでしょう。

千眼撮影画像

さて、これは彼女らが撮影したという画像ですが、幸い現地の地理に詳しいエージェントの協力を得られたので、この画像から、撮影状況を検証します。

現地図
現地図(Google)有志提供

現地状況
現場状況(Google)有志提供

撮影アングル
撮影アングル(Google)有志提供

撮影は、富山駅を背にして南東方向の、しかも低高度。赤色で大きな視直径となれば、自ずと火星以外の何ものでもないのですが、どういう思考回路だと、これがUFOになるのでしょうかね?

火星なら瞬かないからという判断は一理あります。しかし、惑星にしろ恒星にしろ、星自体が瞬いているわけではなく、星の瞬きは大気の揺らぎの影響によるもので、点光源の恒星に対して、惑星は面光源で観察者の目に届く光量が強いため、比較的大気の影響を受けにくいというだけのことで、大気の影響を受けやすい地平線に近い低高度にある場合などは、惑星であっても大気の揺らぎで瞬いて見えることはありえます。

東部(富山)天気

水温・気温

大気中では、気温によって体積が変化し、密度が異なる空気の境界で光が屈折して、それが瞬きとなって目に届きます。先月は日本各地で記録的な高温が観測されていました。日中に温められた地表や海水は、夜になっても冷めにくく、星がいつも以上に瞬いて見えるほどの大気の不安定さを招く気象条件はそろっていました。

あと、ベテルギウス、アルデバランを疑うフリはしていますが、そもそもベテルギウスやアルデバランは冬の星座で、今の時期であれば夜明け前まで昇って来ません。

だいたい、あれがUFOと言うなら、火星は一体どこにあるのでしょうか?

余りにもお粗末過ぎて痛々しく、陳腐な広告塔としてキャリアを台無しにされ、教団に軽々しく消費されていく二世の彼女の姿が哀れに見えてなりません。特に、同じく幸福の科学の二世で、教団側の目論見によって勝手に信仰告白させられ、教祖の霊言によって清水と同じような広告塔に仕立て上げられそうになりながらも、自分の意思できっぱりと、教団からの誘いを突っぱねることができた新木優子さんの、その後の華々しい活躍と比べたとき、落ちぶれた彼女との明暗が濃すぎて、余計に哀れさが増します。

千眼美子

これまでにもカルトの広告塔になどさせられ、プッツン女優と言われた人は数名いましたが、よほどの実力がなければ、復帰は叶いませんでした、ファンの方も、こんな眼をした新木優子さんは見たくないでしょう。

二世として、彼女らが置かれた環境には複雑な事情がありますが、広告塔になどなってしまったら、社会的には終わったも同然です。新木さんはその調子で、決して、くれぐれも道を踏み外さないで欲しいですね。
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心理操作の研究 ①-2

前段「心理操作の研究 ①-1」に続き、これら社会心理学の分析に基づく意思決定の6つの落とし穴から、それらに影響を及ぼす具体的な手法に展開していきます。

その代表的な手口をあげていきましょう。

(1)「段階的要請法」
(2)「譲歩的要請法」
(3)「特典除去要請法」
(4)「特典付加要請法」
(5)「イエス誘導法」
(6)「恐怖説得法」

一般的には、お人好しで、控えめで自己主張がなく、暗示に掛かりやすい人が操作されやすいと思われがちですが、自意識の強い人間でも、逆にその点を巧妙に擽られれば、相手の術中に嵌ることでしょうし、人生に何度か訪れる危機や試練の時期に、弱った心に付けこまれることもあるでしょう。誰にでも、絶対にありえないことではありません。

人はこうしたテクニックによって段々とマインドコントロールされ、カルトの餌食に成り下がっていく危険性があります。

(1)「段階的要請法」(Foot in the door technique)

承諾させようとする本命の(大きな)要求を単純に行う以前に、まず信者にとって抵抗感の低い軽微な(小さな)要求を通して関係性を構築し、その後に本来の要求へと段階的に引き上げて行く手法です。

一度でも要求に承諾したことがあると、自己知覚が変化することで二度目の要請が断りづらくなり、最初の意志決定に拘束されるようになります。「一貫性」の心理原則が利用されることで、内面的に「逆らいがたい強制力」を感じるようになっていきます。

(例)フリードマンとフレイザーの実験
本命の要求:「安全運転」と書かれた巨大ステッカーの掲示
単純に要求した場合の成功率は17%であったが、先に8cm程度の小さなステッカーの掲示を承諾させ、次の段階で本命の要求を提示した場合の成功率は76%となった。
(ちなみに「善意」に訴える内容であることが意志操作の前提にあります)

(2)「譲歩的要請法」(Door in the face technique)

本命の要求を通すために、初めにわざと過大な要求を提示して信者に拒否させ、その後に密かに目的としていたそれよりも小さな本来の要求を出して、「譲歩」を印象付けるかたちで承諾を取り付けようとする手法です。

信者は依頼を断ったことで、少なからず信者としての良心の呵責を感じています。そこで要求が軽減されると、その「譲歩」が恩恵(借り)として認識され、「返報性」の心理原則が利用されることで自ずと譲歩が促されて、結果的に承諾傾向に向かわざるを得なくなるようになります。
ここでのポイントとして、この「恩恵」(借り)は、必ずしも実際に発生している必要性はなく、あくまでそれが印象付けられさえすれば、コントロールには充分ということです。

(例)チャルディーニの実験
①最初の要求「今後2年間、毎週2時間ずつ青年カウンセリングプログラムへの参加依頼」
②本命の要求「1日ボランティアとして、動物園への子供の引率依頼」

大学内の学生に対して行われ、単純に本命の②の要求をした際には17%の学生の承諾しか得られなかったが、別に①の要求を行って、結果ほとんどの学生が拒否したのち、その学生に②の要求をした場合は、およそ50%の学生が承諾した。

(3)「特典除去要請法」(Low ball technique)

最初の段階で、信者が承諾しやすい好条件で承諾を取り付けてしまった後、何らかの理由によってその条件を取り上げるか、逆に厳しくするなどしても、結果的に要求の吊り上げを達成していく手法で、「承諾先取り要請法」とも言います。

信者は一度、最初の要求に承諾してしまっているためにそれを取り消しにくくなるという、義務感を含め、ここでも「一貫性」の心理原則が利用されています。

(例)チャルディーニの実験
①最初の要求(ロー・ボール)「心理学実験への協力依頼」
②要求の吊り上げ「実験実施のための集合時刻の条件(朝7時集合)」

大学内の学生に対して行われ、単純に始めから朝7時集合と要求した場合の承諾率は31%であったが、別に承諾先取りのステップを踏むと56%に上昇した。

(4)「特典付加要請法」(That's not all technique)

要求を提示する際、初めから承諾の恩恵を含めて依頼するより、後から特典として恩恵(オマケ)を付加するようにして意識させる方が、承諾にかかる信者側の負担(コスト)の認知を変化(錯覚)させ、要求を通しやすくなる手法です。「返報性」の心理原則をベースに、「希少性」が強調されて利用されます。

(5)「イエス誘導法」(Yes set technique)

要求の提案以前に、交渉内容とはまったく関りのない会話の段階から、信者に対して「イエス(はい)」という肯定的返事が返ってくるような質問を積み重ねていくと、その流れの中で本命の要求に対しても承諾を引き出しやすくなるという手法です。
「一貫性」の心理原則をベースに、「好意」といった関係性が併せて利用されます。

(6)「恐怖説得法」(Fear appeal technique)

信者に対し、最初に説得に応じないとこの先で不幸な事態になるという恐怖喚起メッセージを与えて、その後でその恐怖を回避するための明確な方法として本命の要求を提示し、承諾させようとする手法です。

「社会的証明」や「権威」といった周囲や他者との関係性の心理原則が併せて利用され、恐怖喚起メッセージにいかにも妥当性を持たせながら、要求がその問題回避に不可欠であると無批判に信じ込ませることで心理誘導します。

こうした基本的な人間の心理分析や心理操作の手法については、ネットを通じても検索することができます。

専門書を読み込んでいくことができれば一番良いですが、なかなかそうも行きませんし、あくまで自分やごく周囲の防衛、自縛(自己洗脳)解除のためと限ったことであれば、そこまで必要でないかも知れません。

ですので、今回投稿した内容に関連したもので大変参考になった、有益でかつ比較的やさしく理解を深めて頂けると思われるものとして一冊だけご紹介しておきたいと思います。

超常現象の科学
リチャード・ワイズマン著
「超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか」
文藝春秋社(木村博江訳)

イギリスの心理学者で元マジシャンという経歴をもつワイズマン氏の、ウィットに富んだ語り口で読みやすいと思います。

この方は超常現象などには完全に否定的立場であるので、人によってはその点に抵抗を感じてしまう方もおられるかも知れませんが、その辺の議論は本書の本質ではないので、いったん脇において読んでみて頂きたいと思います。

本書には著者からの有益な提言があります。
以下に少しコメントを入れながらご紹介します。

「カルトのマインドコントロールから身を守る4つのチェック」

1.「段階的要請法」など、意志操作の罠にはまっていないか?

※カルトはまず、軽く小さな事から忍び寄ってきます。最初は千円の植福が、それが七万のペンダント、二十万の額、百万の写影、やがて一千万の像。 或いは、最初は月に一人のN伝道、それが十人のN伝道、映画チケット100枚買い取りなど、思い当たることがあるはずです。

2.組織が異論を認めない環境になっていないか?

※異議を唱えれば一斉に非難され、同調圧力が働き異論を挟めない。また閉鎖的な集団に統制されて外部の情報に触れることができず、内部での「類似性」に居場所を求めるうちに、一般社会との乖離が進行します。自分たちへの批判はすべて、その内容を深く考えることなく、左翼、他宗、悪魔だなどの仕業と、ワンパターンの繰り返しですね。

3.団体のリーダーが神格化され、ことさら超常的な奇跡をアピールしていないか?

※「権威」に対する無批判な服従の罠に陥っていきます。 陳腐な霊言ショー、くだらない祈願、死者が蘇ったなどのフカシ、最近は特にトンデモ話ばかり盛りだくさんです。

4.団体が、信者の苦痛や困難や恥を伴う行為に、儀式(イニシエーション)としての価値を与えていないか?

※本来であればおかしいと拒否できることでも、盲信によって思考停止した状態では、教祖や教団の指示に意味(価値)があるはずだと思い込み、苦痛や困難や恥の感覚を自己正当化して、良心と理性の働きが鈍らされます。

「説明する気はありません。ただ付いて来なさい」と、盲信も疑を挟まずただ従う信仰修行と意味付けしていますね。そして過去世の妻と言い寄り、関係すれば光が入ると言った鬼畜の性の儀式などは狂信の産物以外の何ものでもありません。こうした環境では、やがて犯罪的行為ですら儀式として擦り込みが行われてしまうのです。

最後に、前段で記載した「服従の心理」の中で著者が引用した英国の政治学者ハロルド・ジョセフ・ラスキの言葉を紹介します。

『権威の命令を考えなしに受け入れる人は、いまだ文明人と名乗ることはできない』


※こちらは2012年8月10日「『幸福の科学』撲滅対策本部★したらば営業所」の「資料集Part2」に投稿したものを加筆、修正して転載したものです。

心理操作の研究 ①-1

一般的に「マインドコントロール」と呼ばれる心理操作の手法は、現在、用語としてはそれなりに定着しているものの、まだまだ研究途上にあり、その定義が社会的なコンセンサスを得る段階に至っているとは言えません。カルト問題の側面ばかりでなく、振り込め詐欺などの犯罪への対処の部分でも重要な研究になると思うのですが、残念ながら専門の研究者の方も限られていて、私のような者がこれから勉強したいと思っても、なかなか教材も少ない状況です。

カルト宗教側は、洗脳やマインドコントロールの効果を矮小化して否定しますし、実験検証が困難な中で、一般的な自己責任論による無理解も、この分野の足枷になっている部分もあろうかと感じます。

しかしカルトで言えば、入信前と入信後の不可解な人格変容の現実が確かにあり、その間のプロセスはマインドコントロール論抜きでは解明できません。そうした実際の部分でマインドコントロールは実在し、脱会者がそれを主張することは、自己責任の自覚の有無とは別次元の問題であって、失敗者や被害者を自己責任論によって委縮させるとすれば、それはカルト宗教や反社会的勢力を利する行為に他ならないでしょう。

今回は幸福の科学をはじめとしたカルト宗教に共通する、マインドコントロールの手法について整理してみたいと思います。これらは基本的には日常の営業現場で用いられるセールスマンの顧客説得の交渉術を、人間の行動心理学の観点から解明したもので、こうした手法が直ちに悪質なものとは言えませんが、カルト宗教にとっての顧客にあたる信者獲得の場面や、いったん取り込んでから脱会しにくい状況に心理誘導していく過程で日常的に用いられている現実があることから、カルトの填め手を認識し、狂った教祖や教団から発信される言動の罠に操られることなく、その意図をつねに解析し続けて自己防衛を図るための基本的な知識になると思います。

すでに脱会済みである方々にとっては、(私自身も自省を込めて)過去の熱狂の中にいた頃の記憶を頼りに、いま迷いの中にいる方々にとっては、まさに現在進行形の自らの姿に目を背けずに、個々の経験を遡れば思い当たることが色々とあるでしょう。


まず、カルト宗教が顧客となる信者への影響力を強めて、その意志を巧妙に言いくるめ掌握していく手がかりとなる人間心理の原則を、大まかに6つの側面に分類します。

1「返報性」
2「一貫性」
3「社会的証明」
4「好意」
5「権威」
6「希少性」

これらが心の隙となって、冷静で堅実な判断を鈍らせることになるわけですが、上記の側面について、アメリカの社会心理学者ロバート・チャルディーニの研究成果から、甚だ雑駁ではありますが各項の要点をまとめてみます。

影響力の武器
ロバート・チャルディーニ著
「影響力の武器」誠信書房
(社会行動研究会訳)

1「返報性」
人が他者からの恩義に義理堅く、見返りを意識する傾向の指摘です。
平たく言えば、相手から何かしてもらうと、お返しをしないといけないという気持ちといったもので、これを「返報性(Reciprocation)」または「互恵、相互利益(Reciprocity)」と定義しています。

2「一貫性」
自分自身がする行為の全プロセスにおいて矛盾の存在を嫌い、認知から意志決定に至るまで主体的な合理性を貫きたいとする欲求の指摘です。
いったん正しいと決断して行った誓約に対して、あとで不都合な要素が浮上しても当初の決断を自己弁護し続け、自己矛盾を嫌うために、その「認知的不協和」(cognitive dissonance)を解消するための理屈をこじつけてでも誓約にあわせるようにして、あくまで堅持しようとする態度を言い、「誓約と一貫性(Commitment and Consistency)」と定義されています。
 
3「社会的証明」
人が他者の行為を自己の行為に反映しようとする習性の指摘です。
流行や話題に乗り遅れたくないといった、周囲の行為が個に対して社会的な影響力をもち、それが根拠とされて個の選択を待たずに受け入れられてしまうようなもので、この「社会的証明(Social proof)という定義は、「協調(conformity)」の一種とされています。

この「協調」(社会的同調性)については、社会心理学者ソロモン・アッシュの「協調性実験」というものがあります。

この実験の簡単な概要ですが、まず、2枚の紙を用意し、1枚目に標準的な長さの1本の線分を引き、2枚目には3本のそれぞれ違う長さの線分を引きますが、うち1本だけ1枚目の線分と等しい長さにしておきます。

そして、これらの線分が描かれた2枚の紙を被験者に見せて、1枚目の線分と等しい長さの線分を2枚目の紙から選ばせるという実験を行ったところ、まず被験者単独で選択させた場合の正答率は99%以上であったのに、一方、8人のグループの中に7名のスタッフを「サクラ」として忍ばせた状態で、一人ずつ回答してもらうというようにし、「サクラ」のスタッフにはわざと間違った回答をまとめさせて、最後から2番目に回答するようにさせた他の7名が「サクラ」とは知らない唯一の被験者の反応を実験したところ、正解率が6割にまで低下したということです

被験者は孤立を恐れ、その心理は集団に同調する意思決定に向かった結果で、こうした多数者に対する同調行動には「同調圧力」が働いています。

4「好意」
人が自分に好意を向ける相手に対しては、その要求を承諾しやすくなる傾向を指摘したものです。
他者からの自分への好意を自覚すると、次はその好意を維持したいという欲求が生じ、そこから好意の循環が始まります。この「好意(Liking)」と定義される影響手法には、「身体的魅力」や「類似性」などが強調されて利用されます。

5「権威」
人が権威あるものに対し無批判に従いがちになるという潜在的な心理的圧力の存在を指摘したものです。
この「権威(Authority)」と定義されるものは、必ずしも実在の人や組織ばかりでなく、シンボルであっても権威を装いさえすれば利用することができます。

また、この権威への服従という問題については、閉鎖的な環境下における、権威者の指示に従う人間の心理状況を実験した心理学者スタンリー・ミルグラムによる「ミルグラム実験(アイヒマンテスト)」という記録があります。

この実験の概要は、「記憶と学習に関する科学研究」という趣旨で集められた被験者が、大学教授の実験者に、先生役と生徒役の2つに分けられ、先生は生徒に対して問題を出し、先生役は不正解だった時に、生徒が装着している電気ショックのボタンを押して電撃を与えるというもので、実験者の指示に従い、先生役は問題毎に15V刻みで電撃を強めて行き、そうして次第に電撃が強くなれば、当然に生徒役の苦痛は増大することになるわけですが、そうした様子に直面し先生役の被験者が躊躇った時、実験者の大学教授が冷徹に毅然とした態度を崩さず、「続けてもらわないと実験が成り立ちません」、「他に選択の余地はないですから続けてください」、「責任はあなたにはありません」といったような催促の言葉をかけ、その反応を観察するというものでした。

実際のところ生徒役の被験者は「サクラ」で、電撃の苦痛は演技であったようですが、この実験の結果は、設定した環境下の時には6割以上の被験者が最大Vでの電撃のボタンを押していたということです。これは人格に異常の認められないごく普通の人間であっても、権威に服従することで野蛮な行為に及んでしまうという実例とされています。

6「希少性」
人は「機会」を失うことに敏感で、そのため「機会」そのものが大きな付加価値となって影響する作用があることを指摘したものです。
数量や期限などに明確な限定を設けて新たに生み出した価値によって需要を引き出すという仕組が、文字通り「希少性(Scarcity)」と定義されています。

服従の心理
スタンレー・ミルグラム著
「服従の心理」河出文庫
(山形浩生訳)

※「心理操作の研究 ①-2」に続く

※こちらは2012年8月10日「『幸福の科学』撲滅対策本部★したらば営業所」の「資料集Part2」に投稿したものを加筆、修正して転載したものです。
プロフィール

土矢浩士(ハンドルネーム:アルゴラブ)

Author:土矢浩士(ハンドルネーム:アルゴラブ)
セクトの犠牲者である家族と個人を支えるネットワーク
「RSFI MAIKA」代表

日本脱カルト協会
「JSCPR」会員

当ブログへようこそ。
「幸福の科学」の問題を中心に、セクトについて考えていきます。

ご相談等の場合は、リンク先頭の「RSFI MAIKA公式ホームページ」のコンタクトよりご連絡ください。

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