カルト幸福の科学の『恫喝訴訟』

SLAPP(スラップ)という言葉をご存じでしょうか?

SLAPPとは「Strategic Lawsuit Against Public Participation」の頭文字から取った造語で、企業体や政府機関などの社会的に権力をもつ比較優者が、個人・市民・被害者などの権力を持たない比較弱者に対して、恫喝や発言封じといった、もっぱら威圧的かつ報復的な目的で行う訴訟形態をいい、威圧訴訟あるいは恫喝訴訟などと呼ばれてきたものです。

宗教団体もSLAPPを起こします。むしろ企業体や政府機関などよりも起こしやすいと言えるでしょう。

「精神の不安定化」
「法外な金銭的要求」 
「日常的な生活環境からの断絶教唆」
「虐待や束縛による肉体的保全の損傷」
「子供の囲い込み教化」
「反社会的な教説」
「公的秩序の撹乱」
「訴訟の乱発」
「通常の経済経路からの逸脱」
「公権力ヘの浸透の企て」 

上記10項目は、セクト規制法をもつフランスにおいて、セクト(カルト)の判定基準として掲げられている指標ですが、こうして指摘されている通り、訴訟権の乱用傾向はカルトに陥った宗教団体の既定路線と言えるようです。

幸福の科学も実際このSLAPPを起こし、今日では日本の法曹界をすっかり敵に回してしまっています。
何よりそれは、現在日本におけるSLAPPの判例となっているものが、幸福の科学による訴訟に対する判決であるからです。

裁判の概要、判決の内容について、参考として以下に2001年6月29日当時の新聞各紙の記事を掲載します。


「幸福の科学に100万円の支払い命じる 東京地裁」

第二東京弁護士会の山口広弁護士が、宗教法人「幸福の科学」(大川隆法代表役員)やその職員から計8億円の損害賠償を求める訴訟を起こされて精神的損害を受けたとして、逆に教団に800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は29日、100万円の支払いを教団に命じた。
土屋文昭裁判長は教団の提訴について「批判的言論を威嚇する目的で、個人に対して高額訴訟を起こしたもので、違法だ」と判断した。教団側の請求は棄却した。

判決は、教団の書籍や過去の訴訟から、大川代表は教団を批判する者に対する攻撃、威嚇の手段として訴訟制度を利用する意図があったと認定。計8億円のうち7億円は教団が請求しており、同種訴訟として異常に高額なことから、「裁判制度の趣旨、目的に照らして著しく相当性を欠き、違法と言わざるを得ない」と結論づけた。

この争いでは、まず、元信者の男性が「献金を強要された」として山口弁護士を代理人に、教団などに約2億6000万円の損害賠償を求める訴えを96年12月に東京地裁に起こした。
一方、教団側は「虚偽の事実を訴えた訴訟と記者会見で、名誉を傷つけられた」として山口弁護士と元信者を相手に97年1月に8億円の賠償を請求し、山口弁護士が教団に反訴請求していた。

同地裁は99年5月、「違法に献金を強要したとはいえない」として元信者の請求を棄却したが、29日の判決は「献金強制の事実はないが、元信者らが献金を強要されたと信じる相当の理由があった」として、教団側の名誉棄損の主張を退けた。

幸福の科学の話 ずさんな弁護士業務による「信教の自由」侵害を容認する判決には承服できない。
(朝日新聞)


「幸福の科学に100万円賠償命令」

宗教法人「幸福の科学」が、教団を相手に献金返還訴訟を起こした元信者と代理人の山口広弁護士を「提訴とその記者会見で名誉を傷つけられた」と、7億円の損害賠償を求め、山口弁護士側も「提訴は不当」と教団に800万円の損害賠償を求めた両訴訟の判決で、東京地裁は29日、「批判的な言論を威嚇する目的で提訴を行ったもので違法」と教団側の請求を退けて、100万円の支払いを教団側に命じた。

判決理由で土屋文昭裁判長は両訴訟のきっかけとなった献金の強制について「元信者と山口弁護士が強制させられたと信じたことには相当の理由がある」とし、提訴の記者会見による名誉棄損は成立しないとした。

そのうえで幸福の科学の提訴そのものを「批判的な言論を威嚇する目的で認められないと分かっていながら個人に7億円も請求したことは、裁判制度の趣旨に照らし違法なもの」と指弾した。

 幸福の科学の話 「本判決には承服できない」
(産経新聞)


「東京地裁、「幸福の科学」に賠償命令」

宗教法人「幸福の科学」(東京都杉並区)を相手取った訴訟の代理人を務めた山口広弁護士が、「提訴の記者会見を開いたところ、幸福の科学から名誉棄損訴訟で訴えられ、精神的苦痛を受けた」として800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、東京地裁であった。

土屋文昭裁判長は「名誉棄損訴訟は批判的言論の威嚇に当たり、違法」として請求を認め、幸福の科学に100万円の支払いを命じた。

判決によると、山口弁護士は1996年、元信者が「献金を強制された」として幸福の科学を相手に損害賠償訴訟を起こした際、記者会見を開いて提訴の事実を公表した。幸福の科学側は97年、「一方的な会見で名誉を棄損された」として山口弁護士に8億円の損害賠償を求める訴訟を起こしたため、山口弁護士が逆提訴していた。
(日本経済新聞)


「幸福の科学訴訟 教団に慰謝料の支払い命じる判決 東京地裁 」

宗教法人「幸福の科学」側から「献金強要という虚偽の提訴で名誉を傷つけられた」と8億円の損害賠償を求められた山口広弁護士が、「不当な訴えだ」と逆に賠償を求めた訴訟の判決が29日、東京地裁であった。

土屋文昭裁判長は「言論を威嚇する目的で起こした高額訴訟は違法」と述べ、教団に対し100万円の慰謝料を支払うよう命じた。
山口弁護士は「攻撃的な訴訟をはっきり違法と認めた判決は異例」と評価した。

判決によると、山口弁護士は元信者の代理人として96年12月、献金を強要されたと主張して教団側を提訴し、記者会見を行った。教団は「会見で虚偽の事実を広められ名誉を傷つけられた」として、教団が7億円、教団幹部2人が1億円の計8億円を山口弁護士に求めて提訴していた。

判決は「認容される見込みがない異常な請求額で、不当に高額。批判的言論を威嚇するための提訴で、裁判制度の目的に照らし著しく相当性を欠く」と指摘した。

一方、土屋裁判長は教団側の請求に対しては「元信者が献金を強いられたと信じたのには相当な理由があり、会見による名誉棄損は成立しない」と退けた。献金強要を主張した元信者の請求は既に、東京高裁で敗訴が確定している。

幸福の科学広報局は「ずさんな弁護士業務による「信教の自由」侵害を容認する本判決には承服できない」とのコメントを出した。
(毎日新聞)


「「批判的言論威嚇」幸福の科学に100万賠償命令」

宗教法人「幸福の科学」を相手取った訴訟の代理人を務めた山口広弁護士(52)(第二東京弁護士会)が、教団から7億円の損害賠償請求訴訟を起こされたことで弁護士業務を妨害されたとして、教団に800万円の賠償を求めた訴訟の判決が29日、東京地裁であった。

土屋文昭裁判長は「批判的言論を威嚇する目的で、到底認められない請求額で提訴したことは、裁判制度に照らして相当性を欠き違法」と述べ、教団が山口弁護士に100万円を支払うよう命じた。教団が元信者と山口弁護士に賠償などを求めた訴訟については請求を棄却した。

山口弁護士は、元信者が多額の献金を強要されたとして、1996年に教団などを訴えた訴訟の代理人を務め、提訴について記者会見した。これに対し教団側は、提訴で名誉を傷つけられたとして逆に山口弁護士らを訴えた。山口弁護士も反訴していた。発端となった訴訟は元信者敗訴が確定している。
(読売新聞)


さて、この裁判において、山口弁護士弁護団側から証拠申請して採用されたもののうち、判決の決定打となったものが以下の資料です。

SLAPP指示書
大川隆法直筆のSLAPP指示書


「オウムの件…(中略)…民事の名誉毀損で当会を訴えてきた場合。相手の10から100倍の額の名誉毀損で訴え返す。相手は弁護士1名限りなので、当方は東京、大阪等2つ以上の場所で提訴することもありえる…(中略)…相手もブラフなので、当方もブラフ(おどし)として使えばよい」

教祖の本質がこのようなもので、それを宇宙の根本伸と信じて疑わないのが現存信者なのですから、威圧、恫喝、嫌がらせは、教祖を中心とした幸福の科学構成員にとっての“ご聖業”ということです。彼らにはもう良心の呵責はありません。

そして、かつては反対者に向けられた憎悪が、今では自らを認めない日本社会全体へと向けられていることは以前に指摘しました。

このような「宗教法人及びその主宰者等」は、甚だ「人の魂の救済を図るという至上かつ崇高な活動に従事」しているなどとは言い難く、明らかに「法による手厚い制度的保護の下」に置かれるべき価値を微塵も具備していません。

参考映像
山口広弁護士
「幸福の科学による批判的言論を威嚇する訴訟について」

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泰山之霤穿石

『宗教法人及びその主宰者等は、法による手厚い制度的保護の下に、人の魂の救済を図るという至上かつ崇高な活動に従事しているのであり、このような特別な立場にある団体ないしその責任者は、常に社会一般からその全存在について厳しい批判の対象とされるのは自明のことというべきであろう』

平8・12・20東京地方裁判所 民四部判決

このブログをはじめて半年が経ちました。
最近では、脱会者やお身内に信者を抱えるご家族などの関係者以外に、ごく一般の方にもご覧頂けているようで感謝いたします。

かねてより多くの脱会者が、それぞれ他の脱会者のフォローや現役信者の退会支援等に活動され、私もネット上で活動を再開してから約5年が過ぎましたが、この間の流れを観察するに、教祖自身を筆頭に信者教団挙げての度重なる自爆によって、この「幸福の科学」というカルト宗教を取り巻く環境は大きく変化し、化けの皮は完全に剥がされて、社会的信用失墜はもはや阻止限界点を遥かに越えた実感があります。

社会的環境の変化は、自ずと信者の目覚めを促し、個々の事情によって進度の差こそあるものの、多くの人が日常への帰還を果たしつつあるようです。

しかし、頑迷なカルト信仰は、人格障害や精神疾患と絡み合って成立している側面もあることから、現実に直面しても、それを正しく認識することができずに、認知的不協和を飲み込んで、このカルトに留まる者もまた、完全に消滅することはないでしょう。

特に今後の大きな課題として、教団が運営する幸福の科学学園の生徒たちに象徴される、家庭環境により幼い頃からこのカルトの世界で無批判に育てられてしまった二世、三世の世代の問題があります。

学園卒業後も、不認可となった教団の“私塾”に進学するなど、社会との接点が失われた状況に拍車がかかった彼らの姿は、笑いごとでは済まされない、末期的で異常な事態です。

HS学生たち
(教団の若者たち The Liberty Webより)

そして、それらは決して他人ごとでもないのです。
日本はかつて、カルトによる社会的な危機を経験していることを、どうか思い出して下さい。

当ブログは、退会者以上に、このカルトに何らかの事情によって関心を持たれた方にも、より深く理解して頂けるように、できるだけ具体的な資料に基づいて進めていきます。

そして、このことを通じて、カルトの本質や、その前提にある宗教法人法の問題について考え、さらに、フランスのセクト法の根幹にある「無知・脆弱性不法利用の法理」の日本における展開について少しでも構想して頂ければと思います。

カルトに直接養分を供給するのは、無知と軽率さの「関心」ですが、それを育むのは、他人事の「無関心」という土壌なのです。

HS学生たち2
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Author:アルゴラブ
日本脱カルト協会
「JSCPR」会員

当ブログへようこそ。
私もペンとネットの力を信じ、「幸福の科学」を手掛かりに、カルトの問題について考えていきます。
脱会を迷われる方は、下記の記事カテゴリSuggestion の「脱会に必要なもの」をご覧ください。

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